東大教授が教える「独学で学び直し」ポイント3つ 「知識吸収型の勉強」だけでは役に立たない
東洋経済オンライン / 2024年3月20日 10時0分
日々のニュースで「リスキリング」が注目されるなか、学校に通うのではなく、独学で学び直しをしたいというニーズもあるでしょう。大検→慶應通信部→東大院と異色の経歴を歩む、東京大学経済学部教授の柳川範之氏が上梓した『東大教授がゆるっと教える 独学リスキリング入門』を一部抜粋・再構成し、年齢、世代を問わない独学での学び直しを紹介します。
日本の学校教育は手取り足取り
今回の記事では、日本の学校教育の特徴を整理して、「大人の勉強」におけるポイントを考えることにしましょう。
【写真】『東大教授がゆるっと教える 独学リスキリング入門』(柳川 範之)では、年齢、世代を問わず一生モノのノウハウを紹介。
日本の学校教育は、かなり手取り足取りです。よくできた教科書と問題集が用意されていて、「要点は以下のとおり」とか「この問題に答えられますか」と、とても親切です。
その反面、「受け身の勉強」になりがちです。「考えるべき部分はここで、覚えるべき部分はここです。他は必要ありません」となれば、効率的なように見えて、本当の意味での学びにはなかなかならない。こうした勉強のやり方では、大きな思考の発展や新しいアイデアが生まれにくくなるのです。
そこに日本の学校教育の課題があると思います。海外の小中学校では、自分で考えさせたり意見を言わせたりするトレーニングに重点を置く国も少なくありません。
日本でもだいぶ変わってきたとは言われますが、小中学校のどこかの段階で、もっと自分で考える勉強をしっかり身につける、その必要性を感じています。教科書を読むときも、その中から自ら問いを見つけ出すような、教科書と「ケンカ」をするくらいの読み方をしていかないと、一生モノの深い勉強にはならないのです。
多くの方々が、そうした環境で学んできたので、大人になった今でも「勉強とは、何かを教わって知識を吸収すること」だと思っている人が少なくありません。
しかし現代では、知識というものはインターネットさえ使えば小学生でも手に入れられます。仕事もしかりで、知識さえあればできる仕事では、簡単にコンピュータに負けていきます。知識吸収型の勉強だけでは、役に立たないのです。
大人の勉強3つのポイント
「大人の勉強」は、このような「子どもの勉強」から脱皮しなければいけません。知識プラスアルファの何かを生み出せるか、が仕事では問われるものだし、仕事だけではなく広い意味での社会生活や、人生をより良く生きていくためにも大切なことだと思います。
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