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マクドナルド「どん底→V字回復」の知られざる軌跡 異物混入時代から率いたカサノバ会長のリスク対応力

東洋経済オンライン / 2024年3月21日 20時10分

批判はされないに越したことはないが、ブランド価値が毀損された企業が信頼回復を達成するうえで、批判は避けては通れないいばらの道でもある。

近年、マクドナルドは、カフェメニューを充実させたり、モバイルオーダー、セルフオーダーシステムを充実させたりといった、価格以外の付加価値も強化し、多様な顧客を取り込んでいる。筆者自身、マクドナルドは以前と比べて利用しやすくなったと感じている。

店舗のデザイン性や空間の快適さも増していると感じ、食事以外で利用する機会も多くなった。店舗によってはピーク時の混雑が激しく、待ち時間が長くなっている気もするが、集客が好調であることの裏返しとして、やむをえないことと思っている。

一方で、昨今の原材料費の高騰により、マクドナルドも値上げを余儀なくされている。競合のバーガーキングも店舗数を増やしており、競争環境も激化している。

いまや「マクドナルドは安い」というイメージも薄れており、「モスバーガーのほうが安い」「クーポンを使えば、バーガーキングのほうがお得」といった口コミも広がっている。

こうした状況下で、マクドナルド社はポスト・カサノバ体制の中で、どのような対策を講じるのだろうか?

カサノバ氏指揮下の改革がなければ、日本におけるマクドナルドの将来性も危うかったはずだが、新たな経営課題に直面する中で、今後のマクドナルドがこれまでの延長線上で業績の維持、向上が図れるかは別問題である。これまでの改革を踏まえて、これからのマクドナルドが現在の急激な環境変化の中でどのように発展をしていくのか、期待も込めて見守っていきたいと思う。

西山 守: マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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