1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「数値化こそ正義」と信じる人が大抵陥る落とし穴 なぜ数値化ができても行動を変えられないのか

東洋経済オンライン / 2024年3月22日 9時30分

数値化によって、あいまいな状態を排除することができます。しかし、これは裏を返せば、これまであいまいな状態で許されていたものが、強制的に白黒はっきりついてしまうことも意味します。

数値化するということは、「アイツよりも俺のほうが昇格するべきだ」という主張に対して「YES/NO」をはっきりさせてしまうことでもあるのです。

そこで、管理職など意思決定することが求められるビジネスパーソンの皆様には、「数値化を本当に実行する覚悟があるか」を測る3つの質問を研修でご紹介するようにしています。

じつは、この3つの質問への答え方で、ビジネスの現場で数値化できるかどうかがわかってしまいます。

Q1 なぜそのテーマで(その対象を)数値化する必要があるのでしょうか?

Q2 正直なところ、本当に数値化したいと心から思っていますか?

Q3 実際の数値を見て、素直に行動しますか?

まず「Q1」は当然でしょう。ビジネスにおいて目的のない数値化など存在しません。

次に「Q2」は覚悟の有無を問うものです。数値化するということはあいまいな状態を破壊し、明確に「AよりもBのほうが大きい、だからBを選ぶべき」という情報を作ることに他なりません。

すなわち、評価や意思決定しない(できない)理由がなくなるのです。あなたにその覚悟がおありですか、という質問にYESと答えられるかどうかは極めて重要でしょう。

最後の「Q3」は数値化した結果を信じて行動しますか、という趣旨の問いです。いくら数値化を試みたとして、その結果が「自分の直感とは違う結果なので参考にならない」や「数値はあくまで数値。そうは言っても現実はねぇ……」という逃げのスタンスの方は、いくら数値化の技術や思考法を身につけたとしてもまったく役に立たないでしょう。

数値化する以上は、その数値から得られる結論には素直でなければなりません。

ある有名なYouTubeのコンサルタントは、クライアントに対して「徹底的に数字だけで判断すること」を強く指導するそうです。「好意的なコメントがあった」「見栄えがいい」といった定性的なことはまったく参考にならない。とにかく数字がもっとも正直であり、数字がすべてだと。

数値化することで成果につなげたいなら、数字の情報は絶対です。そこから逃げることは許されません。その覚悟がないなら数値化する意味はゼロであり、最初から数値化などしなければよいのです。

あなたも仕事において数値化の必要性を感じたとき、先ほどの質問をぜひ自分自身に問いかけてみてください。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください