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「大谷翔平」にたとえて日銀の政策変更を説明する 「日銀=大谷翔平の熱狂的ファン」でYCCを解説

東洋経済オンライン / 2024年3月22日 11時0分

それに伴って、銀行が日本銀行にお金を預けると0.1%の金利をもらえるようになった。その結果、多くの銀行で預金金利がほんの少し上昇した。

たとえば、三菱UFJ銀行は0.001%から0.02%に預金金利を引き上げた。とはいえ、1億円預金しても、1年間で2万円しかもらえない。利上げをしたといっても、まだ影響は軽微だと言える。

日銀は「大谷翔平選手の熱狂的ファン」のようなもの

では、長期金利はどうだろうか。これまで行っていたYCCというのは、長期金利を低く抑えるために10年ものなどの国債を日銀が購入していた政策だ。

国債と言われても多くの人には馴染みが薄いので、大谷選手を獲得したドジャースの観戦チケットで考えてみようと思う。

ロサンゼルスにあるドジャースタジアムで販売されているチケットには、大きく分けて2種類ある。1試合ごとに売り出される一般的なチケットと、1年分のシートを確保して観戦し続けることができるシーズンチケットだ。

大谷選手の移籍によって、チケットは飛ぶように売れているらしく、今シーズンは、全球団で1番の売り上げを記録しているそうだ。

ドジャースとしては、1年分のシーズンチケットを全席分、すなわち5万シート分売れれば、チケット販売に気を煩わせることがないのだが、そこまではシーズンチケットを売ることができない。また、今日だけ試合を観戦したいと思う人もいるだろうから、1日分のチケットも用意している。

さて、現在、政府は約1000兆円の国債を発行している。先ほどのドジャースの話に当てはめると、1兆円のシートを1000席分、売っているようなものだ。ドジャースのチケットでは、1日券と1年券があったが、国債(短期証券とよばれるものも含める)には、3カ月券や1年券、さらには10年など期間の長いチケットも存在している。

チケットを保有している人には特典がある。ドジャースのチケットでは野球観戦という特典がついているように、国債というチケットを保有していると、利息がもらえる(最後にはもちろん元本が返還される)。

30年や40年のチケットも近年、売り出されるようになった。これは、長期間にわたって安定的に利息をもらって運用したい会社(主に生命保険会社など)からの要望があったからだ。これは財務省にとってもメリットがある。こうした長期チケットを売れば、借り換えに悩むことが少なくなるし、将来支払う利息を確定することができる。

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