SL列車、引退だけでなく「値上げ」も増えた事情 JR各社が指定席料金アップ、今まで安すぎた?
東洋経済オンライン / 2024年3月23日 6時30分
SL列車は私鉄も運行している。秩父鉄道の「SLパレオエクスプレス」は、2023年4月1日にSL指定席券(大人・子ども同額)が740円から1100円に改定された。
同鉄道のSL指定席は、現在は自社サイトで予約するシステムとなっているが、2019年9月末まではJR東日本管内の「みどりの窓口」で扱っていた。その後いったん自由席のみとなり、2020年にSLの全般検査に伴い運休した後、2021年2月に運行を再開してからは自社サイトでの予約に切り替えた。360円の値上げとなったが、その分ネット予約システムを整備して利便性を高めている。
また、東武鉄道の「SL大樹」は座席指定料金が大人760円~1080円(子ども半額)となっており、ネット予約も可能になっている。JR各社が指定料金を値上げした中では相対的に安いといえる。
「強気」の価格設定が目立つようになったSL列車。だが、その維持管理コストを考えるとやむをえないといえるだろう。SLは観光の目玉というだけでなく産業遺産であり、今後も守っていくためには、その費用をまかなえる料金設定が必要なのだ。
小林 拓矢:フリーライター
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