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「雪の中のごみ収集」やっぱり苦労の連続だった 体力に高い運転技術、柔軟な対応力も必要

東洋経済オンライン / 2024年3月25日 11時0分

収集車から降りる際には、ステップに雪が溜まって凍ると踏み外す危険性もある。凍って凸凹した地面に着地する際にも、足を怪我しないよう細心の注意を払わなければならない。

小走りで収集へ向かうときもあるが、雪道では思うように足が動かず、いたずらに体力を消耗してしまう。ごみステーションが雪に埋もれているときは、雪をふるい落とすうちに手がかじかみだし、思うように指が動かなくなる。

雪の降らない地区での作業と比べると、かなりの追加的な負担が強いられる過酷な作業であるのは断言できる。

今回の経験を通して、過酷な環境下でごみ収集作業にあたる負担軽減のため、住民の一人ひとりに「収集者のことを考えたごみ排出」をしっかり考えてもらいたいと思うようになった。

たとえばしっかり結ばれていないごみ袋だと、作業員がつかんだ瞬間に結び目がほどけ、中身が周囲に散乱することがある。ステーション内に中身が散乱してしまうと特にその後の清掃が大変だ。熊手とジョンバー(柄の広いスコップ)が使えれば良いのだが、そうでないなら手で拾い上げざるを得ない。

天候が急変し地吹雪が吹き荒れ、帽子が飛ばされていく中で、このような追加の作業が発生すると、作業員のモチベーションは当然、下がってしまうだろう。追加の作業を限りなく発生させないよう、住民の側にも丁寧なごみ排出が求められていると感じた。

高い運転技術も支えに

収集車はスタッドレスタイヤを履いた4輪駆動車だった。ごみを積み込んで総重量が重くなっても、雪深い道であっても問題なく走行できると筆者が思っていた矢先、収集作業中に収集車が立ち往生する事態が生じた。

筆者は立ち往生した車を人力で押し上げるのかと心積もりしたが、すぐに大石さんが収集車から砂を取り出し、タイヤの下に撒き始めた。

それによりタイヤと地面の間に摩擦が生じ、スリップ状態から脱出できた。このようなトラブルに見舞われても、運転手の松里さんは極めて冷静にハンドルを握っていた。

西野地区は雪深く、「この道を進むの?」と思うような雪道ばかり。松里さんは道のどの部分ならば問題なく通行できるかをしっかりと見極めて運転していた。雪の中の収集は作業員の現場での奮闘はもちろん、運転手の運転技術によっても支えられている。

前回のリベンジで臨んだ今回の収集は、大石さんの多大なフォローもあり、16時前に無事にやり遂げられた。ただ、かなりの疲労を感じた。

やはり雪の中の収集作業は大変なことだ。

受け継がれる住民へ配慮するマインド

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