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東大生伝授、使えると便利「片手で31まで」数える術 知ると視野が広がる「n進法」の興味深い世界

東洋経済オンライン / 2024年3月28日 11時30分

すると、それぞれの指に対して2種類の状態があるため、片手の5本の指の状態は2の「5乗」で32通り存在することがわかります。よって、「1から32まで」、あるいは「0」を含めて「0から31まで」の数字を数えることが可能になるのです。

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いかがでしょうか。5本しかない指を用いても、指の状態を2進法に生かすことによってより多くの数を数えられるようになります。数学の数の考え方は、このような意外な場面で生かされているのです。

普段使っている「10進法」の弱点

さて、この「2進法」や「10進法」という数の記法はまとめて「n進法」と呼ばれています。このn進法に関しては数学用語だと思っている人も多いと思いますが、実は日常のあらゆる場所で用いられているのです。

まず、われわれが一番自然に使っている数の表し方が、先ほども説明した通り「10進法」になります。10をひとまとまりとする考え方で、一説によるとこれが一番強く根付いたのは両手の指の数が合わせて10本であるから、ともいわれています。

しかしこの「10進法」には弱点があります。それは、「分割しにくい」ということです。

10個のお菓子をグループのメンバーで分けるシチュエーションを考えてみてください。人数が3人でも、4人でも割り切ることができません。10という数字は1とその数字以外の約数が2と5しかないため、分割にあまり適していないのです。

この弱点を補うように、もう1つ使われている数の数え方が「12進法」です。理由はシンプルで、12は3でも4でも割り切ることができるからです。これはあまり聞きなじみがない人が多いと思われますが、これも世の中のさまざまな場面で使われています。

まず代表的なものが、月日や時間の考え方です。午前午後はそれぞれ12時間のひとまとまりになっていますし、1年は12カ月とこれも「12」という数字が用いられています。それ以外にも、おひつじ座やおうし座などの12星座、子、丑、寅、卯…とみんなが唱える十二支など、「12」はあらゆる場面で登場する数字です。

12は約数が「1、2、3、4、6、12」ととても多く数字を分割しやすいため、主に時を表す際に10進数よりも多く使われていることがわかります。

英語が13から「~teen」とつく理由

このように12進法を日常生活で用いているのは、もちろん日本だけではありません。海外でも、1ダースが12個、1グロスが12ダース、1フィートが12インチというように、数え方の単位に「12」がたびたび登場しているのです。

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