「厳島の戦い」毛利元就の"気象を読む力"のすごさ 城好き人気気象キャスターが語る「城と名将」
東洋経済オンライン / 2024年3月29日 18時0分
元就は厳島を占拠して宮尾城を改修し、陶晴賢から元就に寝返った武将を置いて、挑発。ほかにも偽の噂を流したり書状を送ったり、陶晴賢を厳島におびき出す計略を巡らせたそうです。
そして1555(天文24)年9月21日、陶晴賢は約2万人の軍勢を率いて厳島に上陸し、宮尾城に攻め入りました。このとき毛利元就は不在でしたが、宮尾城を守っていた毛利軍は300〜500人ほどだったといわれています。
陶軍約2万人に対して、毛利軍はその後の援軍を含めて約4000人。
両軍の人数については諸説あるものの、圧倒的な差があったことには変わりありません。幸いにもこのとき宮尾城の落城は免れましたが、毛利軍がこの「差」を覆すには、奇襲するしかないと考えたのではないでしょうか。
奇襲前夜、台風襲来か
奇襲(10月1日)の前夜である9月30日、いよいよ毛利元就率いる毛利軍が厳島に渡ろうとすると、雨の降り方が強まってきました。雨だけでなく風も強く吹き、雷が轟き、大荒れの天気となったようです。
この時期の雨というと、秋雨前線ということも考えられますが、嵐のような様子だったのであれば、台風が接近していたのではないでしょうか。
厳島の戦いがあった日は、新暦で1555年10月16日です。今使われている平年値では、7月から10月にかけてが日本への台風の接近数や上陸数が多い時期です。
例えば、2004(平成16)年に100人近い死者を出した台風23号、2017(平成29)年に「超大型」で静岡県に上陸した台風21号、2019(令和元)年に長野県の千曲川(ちくまがわ)が決壊した「令和元年東日本台風」は、10月に日本に大きな被害をもたらしました。10 月の台風襲来は十分にあり得る話です。
厳島の戦いに話を戻します。9月30日の夜、毛利軍は厳島に上陸しました。暴風雨によって視界が悪く、渡航は大変だったはずですが、敵に気づかれにくかったのは元就にとってラッキーです。
一方の陶晴賢は、こんな大荒れの天気の中、毛利軍が攻めてくることはないだろうと思っていたのでしょう。
いよいよ10月1日、毛利本軍と小早川隆景(こばやかわたかかげ)が率いる別働隊が陶軍の本陣を挟み撃ちにしました。海では、毛利が味方につけた村上海賊(水軍)が陶水軍を攻撃して、船を焼き払います。
すっかり油断していた陶軍は驚きました。
『棚守房顕覚書(たなもりふさあきおぼえがき)』には、「陶、弘中ハ一矢モ射ズ、西山ヲサシテ引キ退ル」と、総崩れの様子が書かれています。狭い島内では陶軍のような大軍は動きづらく、混乱状態に陥りました。
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