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LinuxからAndroidへ「BMW」車載OSの劇的変化 重要度が高まるインフォテインメントの世界

東洋経済オンライン / 2024年3月29日 16時0分

ポルトガルには2つのアプリ開発スタジオがあり、さらに世界各地でアプリ開発会社と契約しているとのことだった。車内のインフォテイメントが「たいへん重要」だと聞いたのもそのときだ。

音楽や映像のストリーミング、ニュースの読み上げ、対戦型ゲーム……と、アプリは豊富。ローカライゼーションといって、販売地域に応じたアプリを開発・搭載していくのだそうだ。

たとえば、日本向けにはテレビ局が配信するプログラムを観るアプリが入っている(テレビにこだわるのは日本だけらしい)。

このとき取材したのはOS8.5だったが、2023年2月に日本発売が開始された新型「X1/iX1」と、同年10月発表のX2/iX2で最新のOS9に切り替わっている。

「従来のOS8.5まではLinuxをベースに開発されていましたが、OS9はAndroidベースに変えました。理由は、Androidのほうが裾野が広く、アプリ開発においても協力してくれる企業が多いからです」

実は、先のホンダ・アコードもAndroidを使用するようになっている。やはり、開発のしやすさとユーザーに評価されやすい利便性が理由で、北米のアコードはAmazon Alexaも使えるそうだ。

BMWでは、自社のシステムを新世代「BMW iDrive(アイドライブ)」と定義。ユーザーに「エモーショナルなドライビングを愉しませたい」とする。

OS9の特徴としてあげられたのは、操作方法。OS9では、BMWが2000年代に先陣をきって採用した、iDriveの象徴たるダイヤル式コントローラーが廃止された。

「よりシンプルで直感的な操作を可能にするため、『Touch & Voice』なる機能を強化しました」と、OS9のデジタルプロダクトオフィサーを務めるハイコ・ギューイン氏は言う。

「Touch」とは、アプリを呼び出す際、階層を深く潜っていかなくてもすむよう、ウィジェットをモニターに並べておける仕組み。好みのアプリをワンタッチで呼び出せる。また、「Voice」によって音声で呼び出すこともできる。

「Touchはスマートフォンを使う感覚により近づけ、Voiceは車内で使いやすいよう体系的に再設計し、さらにAlexaなどに慣れているユーザーのことも念頭に置きました」とギューイン氏。

新型のミニ・カントリーマンも、OS9を搭載。このクルマでは、見た目が従来とまったく違う。インフォテインメントシステム用に円形モニターを引き継いではいるものの、今回は円をフルに使ったデザインになった。

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