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AIで「本当に"働かなくていい時代"」がやって来る 「AIで今後どうなる?」つんく♂が孫さんに聞く

東洋経済オンライン / 2024年3月30日 11時20分

つまり、裏を返せば将来の不安、老後の不安がなかったんです。みんなで長屋に暮らしているから、どうとでもなると思っていたんですよね。

たとえば長屋の住人の職人さんにどーんとお金が入ってきた。現代の常識でいえば、個人が預金して将来のリスクに備えるでしょうが、当時は銀行もないから「今日はみんなでうまいものを食おう。俺のおごりや!」みたいな感じで楽しくやるわけです。

そのうちまた別の誰かがお金を稼いできて、「今日はわしのおごりや!」となる。それで成り立っていたわけです。

つまり、お金を貯めることのインセンティブがなかったわけです。そういったイメージに近くなるような気がします。

「お金の価値」が下がっていく!?

つんく♂:今の常識とはだいぶ違いますが、言われてみれば核家族化が進んだのは20世紀以降ですよね。

孫:そうなんです。「家族がいちばん大事だよね」っていう価値観は、やはり明治・大正以降なんですよね。それ以前は、もっと多様な人間関係があったわけです。

僕が子どもの頃は、田舎だったせいもあって「隣の家でごはんを食べさせてもらいなさい。今日お母さんは遅くなるから」がまかりとおっていました。

隣の人に頼んであるわけでもなく「おふくろがここで飯を食べさせてもらえって言ったんです」と言えば「じゃあ食べていけ」となる。それって、江戸時代の名残なんですよね。今は「コンビニで買いなさい」とか「ウーバーイーツを頼みなさい」でしょうけどね。

つんく♂:そういう意味では、昔のほうが「お金の価値」は低かったのかな。言われてみれば、そういうときに「いくらかかったから」なんていう考え自体、なかったですよね。

孫:「自分の子も隣の子も飯を食うのは一緒や。2人分も3人分も一緒や」という感覚でしたよね。その感じって、僕は楽しかったんですよ。

AIによって、そんな時代が復活してくるんじゃないか、むしろそういう社会をつくりたいと僕は考えているんです。

時間軸でいえば10年か15年。じわじわと変わっていく

孫:もちろん、ものすごい技術革新を成し遂げたい人にとっては、AIは強力な加速装置になり得ます。ものすごいものをつくるのに、大企業である必要がなくなるからです。

少数の、本当に信頼できるメンバーで、何千人規模の大企業と同じくらいのインフルエンスやパワーをくれるのも、AIだと思いますね。

つんく♂:それって、イメージ的に何年後ぐらいの話だろう。それとももう始まっているんでしょうか?

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