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花粉症対策に悩む人に教えたい「舌下免疫療法」 内服は市販薬で十分、点鼻と点眼薬は要注意

東洋経済オンライン / 2024年3月30日 8時0分

私は、抗アレルギー薬を中心に、漢方薬を併用して処方することが多い。普段は夜1回服用の強めの抗アレルギー薬を使い、それでも日中に症状が強くてつらいときは漢方薬を足して服用する方法だ。

市販薬でも十分コントロールできる

医療機関に行く時間がないという人も心配は要らない。市販されている抗アレルギー薬をうまく利用すれば、多くの人では症状コントロールが可能だ。小青竜湯も市販されている。医師が処方するのと同等の効果の強い薬もOTC薬(市販薬)としてドラッグストアなどで販売されているので、うまく症状を抑えてくれる薬を見つけよう。抗アレルギー薬を効果の強い=鎮静の強い順にならべると「セチリジン>エピナスチン>ロラタジン>フェキソフェナジン」となるのが私の感覚だ。

一方、点鼻薬と点眼薬は気をつけなければならない。購入するときに店員に確認するといいが、 血管収縮薬(ナファゾリン)が入っていると“くせ”になりやすい。目の充血がサッと引き、鼻の詰まりがスッと取れるので、最初はいい。ただし連用すると、薬の効果の持続時間が短くなり、薬をつねに使い続けなければならない状態になる。そのため、定期的に用いる薬では、血管収縮薬の入っていない点眼や点鼻薬を選ぶべきだ。

薬では症状がコントロールされない人や眠気が困る人は、舌下免疫療法=経口減感作療法がお勧めだ。花粉症に対する舌下免疫療法はスギ花粉のみ、薬が販売されている。治療方法は国によって少し異なるが、日本での標準的な治療法は、スギ花粉シーズンが終わった5月頃から開始する。

人体は口から摂る物質に対してアレルギー反応が起きにくく、皮膚に擦り込むとアレルギー反応が起きやすい。卵アレルギーの経口減感作治療では、タマゴボーロをごく少量から与え、少しずつ増量していくことでアレルギー反応が起きなくなる。スギ花粉症では、スギのアレルゲンを含んだ錠剤(シダキュア)を用いる。

シダキュアの添付文書によると、症状がよいと感じた人はシダキュア群40.2%対偽薬群15.7%であり、症状が悪いと感じた人はシダキュア群2.0%対偽薬群12.2%と、シダキュアは症状改善に有効であった。治療は3年続けて効果が感じられなければ終了する。有効だった場合、そのまま治療を続ける人が多いが、中止しても2年は効果が持続することがわかっているので、 3年服用したらいったん休んでみて、また症状がひどくなってきたら再開する方法もある。

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