「幸せな人生イベント」になぜか疲れてしまう理由 元気がなくなるメカニズム「休養学」博士が解説
東洋経済オンライン / 2024年3月31日 9時0分
内分泌系ではストレスがかかると、肉まんの皮の部分である副腎皮質からコルチゾールというホルモンが出ます。これが抗炎症作用を引き起こします。抗炎症作用とは、炎症を起こさなくすることです。そう聞くと「体にとってよいことじゃないの?」と思うかもしれませんが、必ずしもそうとはいえません。
ストレスで免疫が働かなくなる
炎症が起こるのは体内に侵入した細菌やウイルスを排除するためだからです。有害な細菌やウイルスを殺すために熱や腫れといった炎症が起こり、免疫機能がはたらき出します。
つまり炎症は免疫という生体の防御反応なのですが、体にとって火事のようなものでもあります。たとえば皮膚に問題が起きた場合、サイトカインという物質によって熱をもったりかゆみや痛みをともなったりします。
サイトカインは「おーい、ここに炎症を起こすものがあるぞ」というサインを出す連絡役でもあります。
すると、免疫物質はこれをしずめるために、消防士のように火消しをするために飛んできます。免疫は、防御反応として炎症を起こしながら、その炎症をみずから抑えようという2つの機能を有しているわけです。
しかし、コルチゾールの抗炎症作用は、このサイトカインの動きを止めてしまいます。
その結果、熱やかゆみや痛みは一旦しずまりますが、同時に、火事を知らせる連絡機能も停止してしまうため、免疫自体が反応しません。結果的に、炎症の火種が放置されることになってしまいます。
さらに悪いことに、コルチゾールが高まるとDHEAという、テストステロンやエストロゲンなど若さや元気の素をつくる「ホルモンの素」が減ってきます。一言でいえば、ストレスを受けると元気がなくなってしまいます。ストレスが引き金になって疲れるのは、一つにはこうしたしくみがあるからなのです。
片野 秀樹:博士(医学)、日本リカバリー協会代表理事
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
“五月病”はストレス? ストレスのメカニズムや対処法について 摂南大学・心理学研究者に聞く
オトナンサー / 2024年5月20日 7時10分
-
腸内乳酸菌による脂肪酸代謝産物が抗炎症作用を示し炎症性腸疾患を緩和することを明らかに ~食用油に由来する成分の効能を遺伝子、細胞、個体レベルで解析~
PR TIMES / 2024年5月7日 11時45分
-
「休日はのんびりお風呂」入浴で疲れがとれる理由 「休養学」博士が解説"知って得する温浴の効能"
東洋経済オンライン / 2024年5月4日 11時40分
-
「疲れたから甘い物を食べる」はやめたほうがいい…休養の専門家が指摘する"逆効果になる食べ方"
プレジデントオンライン / 2024年5月2日 6時15分
-
「頭を使うときは甘いもの」はウソだった!? 疲れたときの〈スイーツ〉〈お酒〉が実は逆効果となるワケ【医学博士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月24日 15時15分
ランキング
-
1自動車の「パワーウインドー」操作時は要注意 窓に首&指を挟み込まれる事故も 国交省が呼び掛け
オトナンサー / 2024年5月21日 20時50分
-
2「Google Pixel 8a」をお得に買いたい人におすすめの購入方法3選! 実質24円で入手する方法も
オールアバウト / 2024年5月21日 20時0分
-
3中古のトヨタ「ランドクルーザー」価格高騰! それでも欲しい!? 購入時に注意すべき“意外なこと”は?
くるまのニュース / 2024年5月21日 18時10分
-
4カスハラなど客の迷惑行為で「もう限界」 老舗銭湯が閉店を決意した理由に「一番心折れるパターン」「見ていてつらい」
ねとらぼ / 2024年5月20日 7時30分
-
5目はバッキバキに…初対面なのに“暴露”しまくる店長に思わず「ソレ、言っても大丈夫?」
日刊SPA! / 2024年5月21日 15時53分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください