ヤマハが「楽器と無関係」のゴルフに参入した理由 2008年から女子プロのトーナメントをスタート
東洋経済オンライン / 2024年3月31日 7時50分
毎年、桜が咲く季節に開催される女子ゴルフトーナメントの「ヤマハレディースオープン葛城」。今年は3月28日から4日間にわたって、熱い闘いが繰り広げられている(今年は悪天候のため3日間競技に短縮)。
【写真で見る】ゴルフ業界が衝撃を受けた、ヤマハが開発した世界初のカーボンウッド「C-300」
2008年に始まったこのトーナメントは、今年で15回目を迎える。主催はヤマハ株式会社、ヤマハ発動機株式会社、協力は葛城ゴルフ倶楽部を運営する株式会社ヤマハリゾートと、総力あげてのゴルフ大会である。
ヤマハといえば、ピアノなどの楽器やバイクのイメージだが、なぜゴルフなのか。
グローバル楽器市場でシェア1位
ヤマハの社名は、創業者である山葉寅楠(やまは・とらくす)の姓に由来する。1887年に寅楠がリードオルガンの修理をきっかけとして、オルガン製作に成功。1897年に日本楽器製造株式会社を設立し、楽器メーカーとして成長した。
現在、グローバル楽器市場ではシェアが1位で、 楽器全体25%、ピアノ33%、デジタルピアノ47%を占めている(2023年3月期・金額ベース・ヤマハ調べ)。
ヤマハ株式会社の吉田信樹氏(ゴルフHS事業推進部主幹)によると、ヤマハがスポーツ事業に進出したのは、4代目社長・川上源一氏の時代だ。戦後間もない1953年に欧米を視察した際、欧米のレジャー産業の隆盛を感じ、「日本もいずれそのような産業が活発になっていくだろう」と、多角化に舵をきったという。
スポーツ事業で最初に手掛けたのは、アーチェリーだ。
フレーム作りに、木製のピアノ本体の加工技術を生かした。弓の部分はFRP(Fiber Reinforced plastics:繊維強化プラスチック)製だったことから、ヤマハもFRPの研究を開始。1959年にアーチェリーの生産を始める。
その後、FRPをスキー板にも応用。FRP製のスキー板は当時主流だった木製のものに比べて弾性にすぐれ、折れにくいことから、好評を博した。この技術を活用して、テニスラケットも販売を始める。
そのようななか、ゴルフへの参入も決めた。理由は「市場の大きさ」だった。吉田氏は「新規参入にあたり、ヤマハのFRP技術を生かし、世の中にないものを開発するとのミッションがあった」と話す。
それまでクラブヘッドは「木」だった
3年ほどかけてゴルフクラブの開発を始め、1982年に「世界で初めてカーボン グラファイトコンポジットを採用したゴルフクラブヘッドの開発に成功、商品化を決定」と発表した。複合材料でFRPより強度の高いカーボン繊維を使用したものがCFRP(Carbon FRP)である。
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