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リモート会議を上司の「独り相撲」にしない工夫 心理的安全性を高めるためにできることとは

東洋経済オンライン / 2024年4月1日 7時20分

「問いかけ」によって参加者とキャッチボールをすることで、話者自身の不安解消と、参加者の理解促進を実現しましょう。

例えば、以下のように問いかけてみてください。

チームメンバーに新しい提案をする場合

×上司「ぜひ、このプランをやろう!」
〇上司「このプランをやってみるのはどうかな?」(間を空ける)
 部下「良いプランだと思いました!やってみたいです!」

グラフに注目してほしい箇所がある場合

×上司「このグラフ、2段階目で急激に数値が下がっているね」
〇上司「このグラフを見て、何か気づくことはないかな?」(間を空ける)
 部下「急に数値が下がっているところがありますね」

このように、一方的に話すのではなく、問いかけることで参加者の意識を任意の箇所に集めることができます。

ほかにも、「問いかけ」には以下のようなメリットがあります。

■ 参加者に「自分で考えた答え」という意識を与える、また、それにより行動に移しやすくなる
■ 話者と参加者、双方で「答えを共創する」という意識を与える
■ 参加者を「受動モード」から「能動モード」に変えることができる

「問いかけ」を駆使して、心理的安全性を損ねる話者の「独り相撲」から脱却し、参加者の意欲と行動を喚起してみましょう。

リモート会議こそ「余白」をつくる

リモート会議では、「創発」の機会が生まれにくいと考えられます。

創発とは組織論やナレッジマネジメントの分野で、組織のメンバー間の発想や能力をかけあわせて、予想もつかない新たな成果を生み出すことを意味します。

メンバー同士が自由に意見を出し合うことで、新しいものを創造していくイメージです。

リアルの会議では、会議の前後や休憩時間に雑談するなど、リラックスした時間や空間が生まれていました。

これはまさに、お互いのつながりを確認できる、心理的安全性が高い場です。忖度なく、突拍子のない意見を出してもとがめられる恐れがないので、新しいアイデアが出やすくなります。

活用したい「ブレイクアウトセッション」

一方で、リモート会議では、短時間で多くの情報を扱おうとするため、上記のような自由に話し合う“余白”がなくなりがちです。リアルの会議で生まれていた心理的安全性が高い場は、リモート会議では自然には生まれません。

そこで、リモート会議でも心理的安全性を確保し、意見を出しやすくするために「ブレイクアウトセッション(オンライン会議ツールで参加者を少人数のグループに分ける機能)」を活用することをおすすめしたいと思います。

例えば、ある程度の人数規模での会議や社内イベントでは、質疑応答の時間があると思います。全体で質疑応答の時間を取る前に、ブレイクアウトセッションで、少人数での感想共有や質問の洗い出しをしてもらうのです。

さらに、ブレイクアウトセッションに入る前に、「この後、感想や疑問を共有する時間を取るので、まずは1分くらい各自で考えてみてください」と伝えて個人ワークの時間を取ると、その後の対話の密度が深まるので効果的です。

また、リモート会議終了後に、感想や質問がある人に任意で残ってもらうと、参加者間の相互作用を起こす“余白”を意図的に作ることができます。私はこれを「放課後タイム」と呼んでいます。

ぜひ、今回お伝えしたティップスをご活用いただき、日頃のリモート会議における心理的安全性を高め、豊かな対話が生まれる場にアップデートしていただきたいと思います。

広江 朋紀:リンクイベントプロデュース ファシリテーター

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