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「Apple Watch」日本の医療現場でも活用が進む ヘルスケア担当役員が語る「今後起きる進化」

東洋経済オンライン / 2024年4月1日 12時30分

「発作が起こったタイミングの心電図が取れることは、とても大切です。その瞬間のデータは、病院に来てからの検査では得られないからです。特に発作の頻度が少ない段階での心電図のデータが取れる点は、早期発見から治療へとつなげていくうえで、非常に重要です。

Apple Watchで測定した心電図のデータは、医師が見ればすぐに、どんな症状が起きているかがわかるほど明瞭なものです。また心房細動のアラートは、本人に自覚や症状がなくても早期発見ができるため、素早く治療に入ることができ、それだけリスクを軽減できます」(濵氏)

デサイ氏はApple Watchを通じて、医療と健康とのつきあい方を変えようとしてきた。そうした実例が、日本を含む世界中の医療現場で現れてきているのだ。

Apple Watchでの臨床的な研究は、アメリカだけでなく、日本でも東京大学や慶應義塾大学で行われている。デサイ氏はこうした科学的な証明を伴いながら、科学界、ユーザー、そしてアップル自身も、Apple Watchで取得できる健康に関する知見を、現在進行形で学んでいるところだと言う。

「まだまだ、学ぶべきことはたくさんあります。それを理解するための研究を続けている途中なのです。

科学に基づいた、健康に関する正確な情報を伝えるにはどうすればいいか、顧客の声に耳を傾けてきました。これを、アップルを含めた第三者がのぞき見ることなく、プライバシーを強く保護しながら実現していくことで、健康に関する発見ができたり、人々が何かを理解できるようになります。

私は医師として、またアップルのチームが本当に力を入れていることです」(デサイ氏)

例えば、現在のApple Watchでは、睡眠時間、外で過ごした時間、運動量と、気分の相関関係を調べる「心の状態」という機能が追加された。日常生活とメンタルヘルスの関係に着目し、結びつけた例だという。

外に出て散歩をしたり、運動をしたりすると気分が良くなる、と言われているが、Apple Watchでは実際の日常生活に紐着けて、個人個人の心の健康とその改善を確認していくことができるのだ。

信頼して健康データを預けてほしい

自分以上に自分の健康に関する洞察につながるデータを持っているApple Watch。サンブル・デサイ氏は、強いプライバシー性能は、強調してもしたりないほど重要な、健康データを預けるための条件だと指摘する。

「プライバシーについては、世界では多くの法律が制定されています。健康データはデバイス上で暗号化されていて、アップルはあなたの健康データを見ることができません。健康ほどプライベートなものはないのです」(デサイ氏)

デサイ氏は、「どうすれば、人々やその家族が健康であることに積極的になれるか、健康を実現できるかについて、これまで以上に集中して取り組んでいきたい」と語った。

時計はかつて、「時間を知るための道具」だったはずだ。しかしその役割は変化しつつある。21世紀の現在において、時計の機能に「健康に生きるための道具」が追加されようとしている。

松村 太郎:ジャーナリスト

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