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罹患者数でみる「前立腺がん」都道府県ランキング 3月22日公表、最新版「全国がん登録」データから

東洋経済オンライン / 2024年4月1日 11時40分

3月22日に発表されたばかりの『全国がん登録2020』(厚生労働省)からランキングを作成した

前立腺がんは近年、男性が最もかかりやすいがんの1つだ。特に50歳以上の男性に多く見られるが、“生存率の高いがん”であるのも大きな特徴だ。

【ランキングを全部見る】「前立腺がん」罹患者数の都道府県ランキング1位から10位

前立腺がんの罹患者数と地域差

そして、その罹患者数には地域差があることがわかっている。

本稿では、3月22日に発表されたばかりの『全国がん登録2020』(厚生労働省)から、前立腺がんの罹患者数が多い順にランキングを作成した。

(外部配信先では画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

がんは年齢が高いほどかかりやすいため、高齢者が多い地域ほどがん患者は増える。そうした地域差を排除するため、今回紹介するランキングは、年齢調整罹患率(人口10万人対)を用いている。これによって、年齢構成の異なる地域も正しく比較できる。

最新の罹患者数では鹿児島県が最も高く、香川県、島根県と続く。その一方で、ランキングにはないが死亡者数で見ると、鹿児島県は2位だが、香川県は37位、島根県も43位と全国的にみても低くなっている。

つまり、“罹患率が高い地域が必ずしも死亡率も高いとは限らない”ことがわかる。

罹患者数が多い背景に「PSA検査」

罹患率が高い地域について、国立がん研究センターがん対策研究所の松田智大さんは、「PSA検査に積極的な自治体で、罹患率が高くなっている可能性がある」と推察する。

PSA検査とは、前立腺がんの可能性がある人を見つける検査だ。血液中にある前立腺に特異的なタンパク質PSAの値を測定する。

実は、国が推奨しているがん検診には前立腺のPSA検査は含まれていない。だが、厚労省の調査によると、PSA検査を実施している自治体は49.4%にものぼる。

香川県では高松市などでPSA検査を実施している。罹患率の高さについて、香川県健康福祉総務課がん対策グループの担当者は、「専門家による十分な分析ができておらず、原因はわかりかねる」と回答する。

前立腺がん罹患者数11位以降と全国平均

前立腺のPSA検査を国が推奨していないのは、前立腺がんは比較的進行が遅いうえ、進行度にかかわらず生存率が高く、検診受診のメリットがデメリットを上回らないからだ。

実際、国立がん研究センターによると、遠隔転移があるステージⅣまでを平均した5年生存率も99.1%で、早期発見だった場合はさらに高くなる。

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