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部下との関係性と成長を両立するマネジメント術 「優しさ」と「厳しさ」の適切なバランスとは

東洋経済オンライン / 2024年4月3日 9時30分

「叱る」ときと「注意する」ときとの共通点は、相手がわかっているのにもかかわらず軽んじているときだ。著しく気が抜けていたり、意識が低くなっているときに使う。(27ページより)

しかし、相手が意識するのを忘れているように思えたとき、あるいは、ちゃんと伝わっていないだろうと感じたときには、「指摘」することも必要とされる。

そのことを説明するためにここで例示されているのは、「部長から残業を20時間以内にすることを命じられていたにもかかわらず、今月の時間外労働が25時間を超えているという事実」を部下に指摘したときのケースだ。

「指摘」では済まされないとき

そんなときには部下がどう反応するかをしっかり観察することが大切であり、「ヒューマンスキル」が求められるというのである。少し長くなるが引用してみよう。

もし、相手の表情や言動に触れて、わかっていなかったと判断したら、
「部長はかなり本気で組織を変えようとしているから、頼むよ」
と笑顔で指摘すればいい。
部下は、残業を20時間以内にしなくてはいけないことは、わかっていたし、部長が会議で言っていたことも覚えている。
では、この部下がわかっていなかったこと、知らなかったことは何だったか?
それは「部長の本気度」である。部長が本気で組織を変えようとしていることを知らなかったのなら、仕方がない。「注意する」のはやめて「指摘」しよう。(28ページより)

しかし、「申し訳ありません。以後気をつけます」と答えた部下の表情や態度から「部長が本気で組織を変えようとしているのを、わかっているな」と判断できたのであれば、「指摘」で済ませるべきではないという。わかっていたのなら、「指摘」程度で相手は変わらないからだ。したがって、そんな場合は真顔で「注意する」ことが大きな意味を持つ。

・言われたとおりにやらなくても、なんだかんだ許される
・言われたとおりにやらなかったら、マズいことになる
 この後者の感情をわかっていないケースが多いので、それを指摘してやるのだ。
(29ページより)

部下の気になる行動を変えるために、上司はこうした点にも配慮する必要があるということだ。

印南 敦史:作家、書評家

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