中国で連日報道「小林製薬」処理水に次ぐ火種か 小林製薬の製品は神薬と呼ばれ爆買いの対象に
東洋経済オンライン / 2024年4月3日 17時15分
小林製薬の「 紅麹(べにこうじ) 」成分入りサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題は、台湾に飛び火し、中国でも連日報道されている。
小林製薬の製品は2010年代半ばに中国で「神薬」として大人気となり、突出した知名度を持つからだ。今のところ中国の消費者は冷静だが、もし国内で健康被害が報告されれば、10年かけて中国をドル箱市場に育ててきた小林製薬にとって大きな打撃となる。
中国では連日報道される
「問題の商品を買った消費者は直ちに服用を中止し、小林製薬(中国)に連絡をするように」
中国消費者協会は2024年3月29日、消費者に注意を呼びかける声明を発表。動画でも注意喚起している。
台湾では、小林製薬から輸入した紅麹原料を使って現地メーカーが製造販売したサプリメントを摂取した消費者が体調不良を訴えているが、同協会によると中国本土では、小林製薬の紅麹を使った製品は越境ECの販路を除いて販売されていないという。
中国では健康被害の訴えも出ていないが、知名度の高い日本メーカーが起こした問題とあって、国営通信社の新華社や国営テレビは連日動向を報じている。
小林製薬が「インバウンド銘柄」として脚光を浴びたのは、円安と中国人の消費力向上を背景に「爆買い」が注目され始めていた2014年10月。中国のメディアがリストアップした「日本に行ったら絶対に買うべき12の神薬」で「アンメルツヨコヨコ」や「熱さまシート」など、同社の製品が5つを占めたのがきっかけだ。
当時、中国人旅行者はツアーで日本を訪れ、SNSや友人の口コミを元に、限られた時間で特定のブランドを指名買いするスタイルが主流だった。「神薬」を求めて旅行者がドラッグストアに押し寄せるようになると、小林製薬はインバウンドを照準に据えた製品を強化していった。
気管支炎やせきの症状を改善するとうたう小林製薬の漢方薬「清肺湯ダスモック」は、販売時は日本の喫煙者をメインターゲットにしていたが、PM2.5など大気汚染対策として中国人がまとめ買いしているとわかると、インバウンド向けへの生産増強に動いた。
中国人にとっての神薬は、小林製薬にとって神風だった。
2016年3月期決算発表資料には、「12の神薬」の文言とともにインバウンド・中国市場戦略が初めて登場した。インバウンド需要はその後順調に拡大し、売れ筋も医薬品から日用品に広がっていった。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
越境EC事業を展開するインアゴーラ インバウンド需要を取り込み、コスメキッチンの「旅マエ」「旅アト」施策を全面支援
PR TIMES / 2024年7月4日 13時40分
-
「紅麹」サプリ 調査体制の立て直しを急げ
読売新聞 / 2024年7月2日 5時0分
-
東京証券取引所・プライム市場の株価騰落率「トップ3」と「ワースト3」…サイバー攻撃がKADOKAWAの株価に与えた深刻な影響【前日の株価】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月1日 5時15分
-
日本の「神薬」をみだりに飲むのは本当にやめた方がいい―中国メディア
Record China / 2024年6月14日 9時0分
-
「コレステロール=悪玉とうそぶく奴こそ悪玉だ」和田秀樹が指弾するフェイク情報で儲けるTV界の裏の2大ワル
プレジデントオンライン / 2024年6月13日 16時15分
ランキング
-
1大手回転寿司チェーンが抱える“ジレンマ”。「ひと皿100円均一」からの脱却も、“強みを失う”結果に
日刊SPA! / 2024年7月7日 8時53分
-
2日本が「4年連続1位→38位」に転落した国際的指標 韓国は20位、アジアで日本より下位は3カ国のみ
東洋経済オンライン / 2024年7月7日 11時0分
-
3小池氏が都知事3選=石丸、蓮舫氏ら破る―保育無償「制度設計を推進」
時事通信 / 2024年7月7日 23時47分
-
4都知事選で350人に投票所整理券発送忘れ 職員が各戸配布 多摩市
毎日新聞 / 2024年7月7日 14時47分
-
5県営住宅住まいの51歳男「全部燃やして京アニ事件みたいにしてやろう」…自室放火容疑で逮捕
読売新聞 / 2024年7月7日 10時43分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)