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「期日を厳守する」上司が疲れ果てる根本原因 他人への強要が仕事の中心になっていないか?

東洋経済オンライン / 2024年4月4日 9時0分

私たちはこのような古いやり方をやめ、周囲の意見に耳を傾け、「連携をとる」べきだ。

「連携をとる」ことの目的は、視野を広げ、バリエーションを歓迎し、グループ内に存在するさまざまな知識、思い、アイデアを可視化することにある。

それらを可視化する際に、会議の場で注目すべきは、極端な意見を持つ「異端児」だ。誰よりも肯定的、または否定的な感情を持つメンバーに焦点をあててほしい。

例をあげよう。

あなたはいま、ソフトウェア製品を発表するか、さらなるテストのために発表を遅らせるかを決める会議に出席しているとしよう。

開発プロジェクトで、自分が担当する部分についてはよくわかっているが、プロジェクト全体がどうなっているか、またこのプロジェクトが会社の戦略のなかでどういう位置づけなのかは、よくわかっていない。

会議にはあなたのほかに12人が出席している。

「スケジュールどおりに発表すべきだと思う気持ちは何パーセントか?」という質問に対し、各自がパーセントカードで投票することになった。

出席者全員の手元に、7枚ひと組のパーセントカードがある。パーセントカードには、1、5、20、50、80、95、99という数字が書かれていて、出席者の賛成の度合いがわかるようになっている。

自分が思う数字が書かれたカードを各自が1枚選び、裏返した状態でテーブルの中央に置く。全員が投票を終えたら、カードを表に返す。

そして極端な数字を出した人(1か99を選んだ人)に意見を尋ね、全員で共有しよう。

正直な意見を表明しやすいようにするには

極端な数字を出した人に私が意見を尋ねるとすれば、「われわれが気づいていない点は何か?」や「どういう意図でその数字を投票したのか?」という尋ね方がいいだろう。

私が以前参加した別の会議では、投票後、反対の意向を示した人たち(わずか2人だった)が、「君はどうすれば賛成に変わるんだ」とまわりから詰め寄られた。

こうした尋ね方では、2人は孤立して議論を妨害する立場に追いやられ、彼らが意見を変えて同調することを誰もが期待するようになる。これはいただけない。

心理的安全性が中程度以下の状況では、異端児の立場を正当化する質問を投げかけたほうがいいだろう。そうすれば、彼らが孤立することはなくなるし、他者の視点からものごとをとらえる練習にもなる。

自分が孤立するリスクがある状況では、人は極端な立場をとりたがらない。

お互いの高い信頼を要するデリケートな質問をしたいが、それほどの人数ではない(8~10人未満)という場合は、付箋紙やA6サイズくらいのカードを用意しよう。

それに各自が回答を書き、裏にしてテーブルの中央に置くようにしてはどうか。こうすれば、誰が何を書いたか推測できないので、正直な意見を表明しやすくなる。

L デビッド マルケ:米海軍攻撃型原子力潜水艦「サンタフェ」元艦長

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