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菅義偉氏「派閥問題」で沈む今の自民党に思うこと 完全無派閥の前首相が国民の自民党離れに危機感

東洋経済オンライン / 2024年4月5日 8時30分

菅:リクルート事件のときも、派閥解消をうたい、政治改革に取り組んだのですが、結局、派閥を解消することができませんでした。それがまさに今回、問題となっています。やはり派閥解消がスタート地点だという認識の下に、しがらみのない政治を実現することが大事だと思っています。

塩田:今回は政治資金規正法が定める政治資金収支報告書への不記載が次々と表面化し、パーティー方式による集金や資金還流など、派閥の資金システムが問題となっています。もちろん派閥解消を実現して派閥政治の根を断つことが重要ですが、派閥解消だけでなく、政治資金の公開を徹底しなければ、国民の疑惑は消えないのではないかと思います。政治資金規正法は、政治資金に関する情報公開法という面があると捉えていますが、国民の厳しい批判は、政治に携わる人たちが政治資金規正法を守らず、政治資金の公開を怠っていると見ている点も大きいのでは。

菅:私たちの政治活動の収支は当然、政治資金規正法に基づいて報告書に記載し、公開しています。そこはそれぞれの議員一人一人が責任を持って対応していくべきです。今回の派閥の問題では、記載を怠り、法律に違反してしまった。

自民党離れは深刻だ

塩田:最近、自民党の党員数が3万人も減ったという報道もありました。国民の自民党離れは想像以上では、と思いますが、どう受け止めていますか。

菅:私もそこは深刻だと思っています。私の選挙区(神奈川2区。横浜市西区・南区・港南区)は都市部ですから、かつてもいろいろな出来事があったとき、例えば1976年に新自由クラブが結党されたときとか、一挙に選挙の展開が変わりました。

塩田:結党から68年4カ月余りが過ぎましたが、自民党は歴史的に見ても、今、大きな危機に直面していると映ります。長く派閥の弊害や問題点を訴えてきたこれまでの姿勢と方針を踏まえて、ここで危機克服のために先頭に立って行動を、という考えはありませんか。

菅:自民党は厳しい状態にあります。ここで政治改革をしっかりやり遂げていくことが大事です。派閥解消が改革のスタートラインであり、国民の政治不信を取り除くために、私も力を尽くしたいと思います。

塩田:自民党への大逆風の中で、今年の7月8日、安倍元首相が暗殺で死去して2年を迎えます。首相退任後、亡くなるまで会長を引き受けていた旧安倍派が、今回、「派閥とカネ」の問題で最大の疑惑の対象として取り上げられるという事態となっていますが、一方で、首相として2012年12月から2020年9月まで、7年8カ月余という史上最長の連続在任記録を残し、長期にわたって政権を担ったという実績があります。2期目の安倍内閣では全期間、官房長官として政権を下支えしたわけですが、今、改めて振り返って、政治指導者としての安倍元首相と安倍政権の評価について、どう見ていますか。

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