仕事は最低限だけ「静かな退職」選ぶ若者増える訳 意欲的に働くようになるにはどうするか?
東洋経済オンライン / 2024年4月8日 10時0分
「仕事より大事なものがある」という価値観の広がりが、拍車をかけているかもしれない。
ただ、会社の影響力が低下しているとはいえ、在籍していると社会保険や福利厚生というメリットを享受できる。実は、「静かな退職」を選ぶZ世代は「冷めている」というより、「賢く組織の仕組みを使っている」と言ったほうがいいのかもしれない。
ミスマッチが起こりやすい新卒一括採用
⑤「新卒一括採用」だと適性や仕事観と合致した仕事選びができない
実は筆者は、Z世代が仕事に冷める大きな要因は「新卒一括採用」という仕組みにあるのではないかと思っている。新卒を一括で採用する仕組み自体はいいのだが、その後の人材の移動が少ない点が問題だと感じている。
学生時代に受けられるキャリア教育はいまだにほとんどなく、インターンがあっても選考目的になっているため、実務経験を積むことができないのが実情だ。つまり、若者たちは「実際に企業で働いて自身の適性や仕事感を確認する」経験がほとんどできないのだ。
新卒一括採用のレールに乗って就職はするが、自分の適性や仕事観と合致した仕事選びをしたわけではないので、ミスマッチが起こりやすい傾向がある。
就職活動を乗り越えたのに「こんなはずじゃなかった」という思いになると、やることはやるが意欲的には働かないという冷めた選択になるのも当然だろう。
人材の流動性も低いので、そのまま「なあなあで残ってしまう」と、頑張ろうにも頑張れない年齢になってしまっているケースも多い。
以上、Z世代が会社や職場に冷めて「静かな退職」を選ぶ要因を5つ挙げた。
改めて5つの点を整理すると、以下の通りだ。
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最後に、どうすれば意欲的に働く人が増えるのかについても触れておきたい。
1つは、やや乱暴な考え方かもしれないが、「新卒で就職した会社を全員3年で辞める(転職する)」ことだ。
1つ目に選んだ職場が自分にとって「適職」である可能性は低い(「適職」だったとしても比較対象がないのでそう思えない)ため、最初の就職の3年間は「社会人学校」と捉えて、できれば全員が20代早期で転職したほうがいいのではないかと思っている。
現在は転職も一般化しており、以前のように「転職=悪」のような状況ではなくなった。1社目しか知らない状態で「静かな退職」状態となってしまうのであれば、転職しやすい状況をうまく活用して「自分の適性や仕事観に合う仕事」を探すことを強く勧めたい。
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