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目に余る「エイハラ」ベテラン差別する3つの元凶 「年齢」よりも見るべきメンバー選びの判断軸

東洋経済オンライン / 2024年4月9日 6時50分

だから、キチンとした知識や経験のある人がメンバーにいなければならないのだ。決して社歴が長いほうがいいわけではない。

社歴が長く、ベテラン社員であったとしても、そのテーマの素人ばかりで構成されたプロジェクトであれば、同じような結果になる。

本当に「経験豊か」なメンバーを集める

ここで、経験と体験の違いについて簡単に触れたい。

体験とは、実際に行動したこと。経験とは、体験したうえで知識や技術を身につけること。私は「体験は点」「経験は線」と受け止めている。

初体験とか実体験と言うが、初経験とか実経験とは、あまり言わない。いっぽう、経験値、経験則、経験年数と言うが、体験値、体験則、体験年数とも言わない。

「経験学習」と言うように、実際に行動したあと自分で振り返ったり、フィードバックを受けてはじめて体験が経験に変わるのだ。

私の知人で、26歳でも立派な経営者がいる。19歳のときに起業し、苦労して50人の会社に育て上げた。経営に関して十分な経験がある方だ。

いっぽうで、私と同世代の50代でも、とても「経験豊か」とは言えないビジネスパーソンもいる。得意な作業には熱心だが、経営や組織に関して真剣に向き合ったことがない。だから部長とか課長という肩書を持っていても「経験」が足りない。「体験」だけで終わらせてきたという人たちだ。

単に社歴が長い人ではなく、しっかりと経験を積んだ人がいればプロジェクトは失敗することはなかっただろう。

エイハラと多様性について

ダイバーシティ(多様性)には2通りの分け方がある。

年齢、性別、人種など、外から見てわかりやすい「表層的ダイバーシティ」と、価値観やパーソナリティなど外からは分けるのが難しい「深層的なダイバーシティ」の2種類だ。

「エイハラ」は年齢で分断してしまうことで生じるハラスメントだ。年齢だけではない。性別や人種、肩書はもちろんのこと、考え方や価値観が異なっても、公平に機会を与えるべきだ。

ただ、適任かどうかは公正に評価すべきである。

「機会は公平に、評価は公正に」

である。経験豊かなメンバーを集めたら、30代前後の男性社員ばかりになったとしても仕方がない。斬新なアイデアを出せるメンバーを集めたら、50代前後の高卒社員ばかりになった、としても仕方がない。

若い人を集めたから問題かというと、そうでもないし、その逆も然りだ。メンバーに偏りがあっても、公正であればいいのである。この企業も、前提と根拠を明確にしたうえで、「年齢」だけでなく「知識」や「経験」などを基準にした公正なメンバー選びを心がけたら、このような結果にならなかっただろう。

横山 信弘:経営コラムニスト

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