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栗山英樹「信じ切る」に至れば、結果に納得がいく WBC、絶不調だった村上宗隆を出し続けた理由

東洋経済オンライン / 2024年4月9日 19時0分

後に、「どうして、あの場面で村上を代えるという決断をしなかったのか」とメディアから問われることになりました。しかし、僕は代えませんでした。

忘れてはいけないのは、前年の2022年の日本のプロ野球で、村上はあの王貞治さんの年間ホームラン記録を塗り替えていたことです。そして三冠王を取った。あの王さんの記録を初めて抜いた選手なのです。

そんな選手が打たないはずがない。彼がとてつもない努力をしていたであろうことも僕には想像できました。だから、絶対にいつか調子を取り戻して打つと思っていました。たとえ、それが負けたあとだったとしても。

侍ジャパンは勝つことが使命でした。だから、判断は情に流されてはいけない、と心に決めていました。翔平でも代える、と覚悟していました。ダルビッシュ有にも、「初回でランナー溜まったら代えるぞ」と言っていました。ダルビッシュは笑って「代えてください」と言っていました。

もちろん村上も同じです。だから、代える準備もしてあった。翔平が出塁してから、「バントの準備もさせてくれ」とコーチにも言っていました。誰であっても一番勝つ確率の高い選択肢を用意しながら試合を前に進めていたのです。

栗山 英樹:北海道日本ハムファイターズCBO

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