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中学受験「周りがするから」で"参戦"のリスク 成績で一喜一憂、子どもの自己肯定感に影響も

東洋経済オンライン / 2024年4月9日 17時0分

上位クラスに行けない子どもたちは、勉強に対する自信を失ってしまいがちです。その結果、本来、塾の成績だけで決まるはずのない自分自身の人生すべてに対して、自己肯定感が下がってしまいます。

まだ社会に出ていない子どもたちにとって、学校や塾は唯一の社会的な場所。そんな場所だからこそ、成績によるクラス分けの結果だけで、人生に大きな影響を及ぼしてしまうことになるのです。

「合格至上主義」は望ましくない

自己肯定感が下がるとどうなるでしょうか。「どうせ自分なんて」「自分がやったって成功するわけがない」と子どもが思い込むようになってしまいます。

その結果、「自分のレベルよりも難しい中学を受験しよう」や「さまざまなことにトライしてみよう」というチャレンジ精神もなくなってしまうかもしれません。

つまり「周りがしているから」という理由で中学受験に臨んだことで、その後の人生にも関わる大きな影響が生まれてしまうのです。

中学受験業界には「受験の目的は高偏差値の学校に行くことだ」という認識があると思います。

塾としてはなるべく一人でも多くの子どもを高偏差値の学校に入れたいと考えているし、それがゴールだと思っている。いわば、「合格至上主義」です。

また、多くの保護者や子どもも、中学受験のゴールを、「いかに高い偏差値の学校へ入学するか」に定めています。

しかし、このように、大手の中学受験塾における価値観に基づいて競う現状は、子どもにとって本当に望ましいものでしょうか?

「中学受験観」を更新する必要がある

「中学受験をするな」と言っているのではありません。

「競う」という経験は子どものこれからの人生にとって大事ですが、「どのような場所で競うか」は選べるべきだと思っていますし、それによって成長する子どももいます。

私は、大手塾の中で置いてけぼりにされてしまった子どもたちに、より基礎的な能力を身に付けてもらう取り組みを行っていますが、その結果、自信を取り戻し、やる気を取り戻した子を何人も見てきました。

また、中には受験で上手くいかず、ギスギスしていた親子関係が修復した、という例も聞きます。

より子どもに適合した環境を選んで、そこで勝負させてあげる。

「高偏差値の学校に合格することだけが大事だ」という認識を改め、多様な子どもたちが多様に競争できる場所を用意してあげることが大事だと感じています。

そもそも、中学受験とはなんのためにするのでしょうか?

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