「甘いもので体の疲れはとれない」少し残念な真実 体に負担をかけるNG飲食「休養学」博士が解説
東洋経済オンライン / 2024年4月10日 11時0分
逆にいえば、朝食をとる時刻を毎日固定するだけで、自律神経を整えることができるというわけです。
なぜドカ食いしてしまうのか?
「腹八分目が健康にいい」とわかっていても、ストレスがかかるとやけ食いをしたり、甘いものを食べたくなったりしませんか?
これはストレスを何とか抑えようとする体の防御反応、自己防衛行動です。
食事をとると、副腎皮質からコルチゾールが分泌されます。コルチゾールとは、ストレスがかかると分泌されるホルモンで抗炎症作用と免疫抑制作用がありますが、そのほかに、血糖値を上げる作用もあります。
まず、食事をとると当然、血糖値が上がります。血糖値が上がるとインシュリンが膵臓から出てきて血糖値を下げようとし、そのあとに血糖値が一気に下がります。今度はこの下がった血糖値を上げないともとの状態に戻りません。このときにコルチゾールが出ます。
コルチゾールはストレスに対抗しようと交感神経を上げるので戦闘態勢に入ることができます。ですから、むしゃくしゃすると何か食べたくなったり、甘いお菓子を欲したりするのです。
「疲れているけれど、どうしてもあと一仕事しなければいけない」
というようなとき、自分を奮い立たせるために、無意識にやけ食いをしたり甘いものを口にしたりしているのかもしれません。逆にいうと、副交感神経を高めてリラックスすべきタイミングで食べすぎてしまったり、甘いものを口に入れたりしてしまうと、緊張・興奮状態になり、リラックスどころか逆効果になります。
家に帰ってきて「ああ疲れた、今日はイヤなことがあったな。忘れるためにスイーツでも食べちゃおう」というのはわかりますが、かえって興奮して、寝つきが悪くなってしまいます。よく「甘いものを食べると疲れがとれる」といいますが、正確には、疲れを一時的に覆い隠しているだけです。楽しみとしてケーキやチョコレートなどを食べるのはかまいませんが、お菓子を食べたからといって疲れがとれるわけではありません。
「糖質は脳の餌だから、頭を使うときは甘いものを食べるといい」というのもよく聞く話ですが、食べたものが消化・吸収されるには時間がかかります。テストの直前に甘いものを食べたからといって、脳がよく働くとは限りません。
お酒も「疲れのもと」になりかねない
お酒が好きな方は、お酒と疲労回復の関係に興味があるのではないでしょうか。昔から「酒は百薬の長」といわれますし、飲むと血のめぐりもよくなります。
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