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カーチス社長「目先の利益より"生涯顧客"獲得を」 業界全体で、健全な仕組み作りに取り組む好機

東洋経済オンライン / 2024年4月10日 9時30分

ただし、不正をしているのは一部の会社、というか一部の人だ。最初からお客様を騙そうと思って業界に入ってくる人はいない。車が好きでお客様と接するのが好きだから入ってくる。

不正ができるような環境を作ってしまうことは会社の問題、責任だ。それを避けるには、とにかく現場との対話やコミュニケーションが重要になる。それに時間を費やすことが、ビジネスをやっていくうえで必要になってくる。

放置されたら魔が差すことはある

――カーチスで不適切な事案はないのでしょうか。各地に店舗と従業員を持っていれば、1人くらい魔が差すこともありえるのでは。

最近はまったくない。店舗が多いからこそ、本社と現場の、管理と営業のコミュニケーションが重要になる。放置されていたら、現場で魔が差すことも当然ある。何が不正で何が悪いことなのかというのも曖昧だ。そこはしっかり教えていかなければいけない。

私は時間があればとにかく現場を回るようにしている。メールや電話、ウェブだけでなく、対面で何が問題なのかをはっきり伝えて教育することがなによりも重要だ。問題が起これば本社と現場で共有し合い、それを解決しようと目を向けてあげれば不正は防げる。

――保険金の不正請求は、板金部門の不正でした。しかし、買い取り・販売も含めた中古車業界全体の信頼が低下しています。自動車保険やローンといった付帯商品が販売しづらくなったなどの影響はありますか。

お客様に対する丁寧な説明はより必要になってきた。付帯などさまざまな商材は車の価値を高めるもので、将来の買い取り価格にも反映される。決して悪いものを無理に販売しようとしているわけではない。

ただ、お客様の中古車業界に対するイメージとして、車両購入時にいろいろなことを押しつけられるというのがある。だからこそ、お客様との対話で商材の優位性をきちんとご理解、ご納得いただくことが必要だ。当社では、付帯のセールストークや販売のやり方を、すべての販売店に教育する機会を設け、相当の時間を費やして研修を行ってきた。

――ビッグモーター事件を受けて、大手のネクステージやIDOMは自社工場を対象とした社内調査の結果を公表しました。一方、カーチスからは何の発表もありませんでした。社内調査をしなかったのでしょうか。調査した結果、何も問題がなかったのでしょうか。

当社は他社と違い、整備工場が6拠点に限られている。データを基に1件1件を細かくチェックすることができる。そこで問題が見つからなかったので結果を公表しなかった。

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