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「地位も名誉も失っても」ギャンブル依存症の怖さ 「意志の問題」ではなく「病気」という認識を持つ

東洋経済オンライン / 2024年4月10日 7時50分

「考える会」と国立精神・神経医療研究センターなどが開発した簡易スクリーニングテストでは、1年以内にギャンブルをした経験があり、次のような症状のうち該当するものが2つ以上あれば、ギャンブル依存症の可能性が高い、とされている。

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厚生労働省研究班は2017年、日本でギャンブル依存症の疑いがある人は成人の3.6%(推計320万人)と発表した。海外と比べるとかなり高い数字だ。例えば、アメリカ・ルイジアナ州は1.58%(2002年)、フランスは1.24%(2008年)、韓国も0.8%(2006年)にすぎない(2014年の厚労省研究班調べによる)。

依存症は、医学的には脳の機能異常と考えられている。

私たちが通常感じる気持ちよさやワクワク感、多幸感は、脳内の「脳内報酬系」の回路が刺激されて、神経伝達物質「ドーパミン」が大量に分泌されて生まれるが、ギャンブル依存症になると機能異常が起き、この部位が鈍感になる。そこで、より強い刺激を求め、行動をコントロールできなくなってしまうのだ。

こうした脳の機能異常は、ギャンブルをやるほどリスクにはなるが、必ず起こるものではない。

甘いものを食べ続けて糖尿病になる人とならない人がいるように、ギャンブルに浸かっていても依存症になる人もいれば、ならない人もいる。ただ、その違いをわけるものが明らかになっていない今、やはりギャンブルをやり続けること自体、危ないのだ。

「なかでも、依存症はストレス解消と結びつきやすいと言われている。ギャンブルでストレスを解消している人は、特に気を付けたほうがいいと思います」(田中さん)

20代の男性の相談が増えた

「考える会」は2014年に発足し、当事者や家族から年間約1200件の相談を受け付けてきたが、最近の傾向は20代の男性の相談が増えたことだという。それまでは約2割だったが、この5年で4割を占めるようになった。

その背景には「スマートフォンの台頭や、コロナ禍で在宅時間が増え、ネットに触れる機会が多くなったこと、さらに、公営ギャンブルのオンライン化がある」と田中さんは話す。

営業時間が終われば閉まるパチンコ店や競馬場などと違い、オンラインギャンブルは24時間どこでも休みなく延々と賭け続けることができてしまうため、その分、依存症になるまでのスピードも速まっているという。

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