TBSアナ「大谷翔平の打率読めず」一体何が問題か 知性が問われる職業は、カバーすべき分野も多い
東洋経済オンライン / 2024年4月11日 20時0分
この様子はネット掲示板などで話題になり、SNSで拡散して、いまや「ダブルアウト」は、ある種のネットスラングになっている。野球に詳しくない筆者からしてみると、「えっ、ダブルでアウトしてるんだから、間違ってないんじゃないの?」と感じてしまうのだが、それは私がスポーツ論評を仕事にしていないから、成り立つことであろう。実況を務めるアナウンサーが不勉強だと、視聴者の気持ちも興ざめしてしまうものだ。
実況で不勉強が露呈するのと、バラエティ番組の進行で不勉強が露呈するのは、重みはまったく異なるものだろう。サンデージャポンは「ジャーナリズム・バラエティ」を銘打っており、時事ネタを扱っていながらも、あくまで軸足はエンタメに置かれている。
報道番組であれば「情報を正確に伝えること」が最重要となり、少しでも「ノイズ」になりかねない要素が加われば、批判の的になる。しかし、長年の視聴者からしてみると、サンジャポにおけるアナウンサーの役割は、「脱線しがちな爆笑問題をコントロールする」ことに重きが置かれているように感じる。事実として、爆笑問題の2人は「MC」、良原アナは「進行」としてクレジットされている。
また、サンジャポの数時間後に生放送された「爆笑問題の日曜サンデー」(TBSラジオ)では、田中さんがスタッフと「野球を知っている人間は『読めないかもしれない』と想像すらできない」と話したといい、2年先輩の山本恵里伽アナも「スポーツと関わりがあまりない場合も多い。私も同じようなミスを何度もしたことがある」と明かしていた。
「情報を伝える職業」で大事なことは?
ただ、「スポーツと関わりがあまりない場合も多い」というアナウンサー目線の意見は、視聴者に通じにくい現実もある。とくにネットでは、「何を言うか」以上に、「誰が言うか」が評価軸にされやすい。
加えて、「マスゴミ」というスラングに象徴されるように、ネットユーザーによるマスメディアへの不信感は根強く、その社員、とくに「看板」と言えるアナウンサーへの風当たりは、思いのほか強い現状がある。
アナウンサーは、世間一般に「知性がある」と認識されている。とくにキー局のアナウンサーは、一流大学の出身者が多く、狭き門である入社試験を突破して、採用される場合がほとんど。だからこそ、社会常識が求められる。実際、「読めなかったこと」以上に、ネット上では「事前に準備をしていたのか?」を問う声が多く確認できる。
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