「先の見えない仕事」挫折しないための2つの鉄則 手応えのない時ほど、ブレずに着実に歩を進める
東洋経済オンライン / 2024年4月12日 18時0分
スタートアップの立ち上げは失敗の旅である。そこからすぐに導き出せる結論が2つある。
1.失敗を恐れていたら、すでに失敗していることになる。
なぜなら、挑戦することに失敗しているからだ。アルバート・アインシュタインは、「一度も失敗したことがない人は、新しいことに挑戦したことがない人だ」と言った。別の言い方をするなら、新しいことに挑戦すれば、失敗する。
2.成功する確率を高めるには、早く失敗する。
スタートアップの立ち上げが失敗の旅だとすると、うまくいく道のりを見つける可能性を高めるには、単純により多くのことに挑戦するのがベストだ。
そして、より多くのことに挑戦するには、早く挑戦して、早く失敗するのがベストだ。そうすれば、次のことに挑戦するのに十分な時間とランウェイ[会社の資金がなくなるまでの時間]を確保できる。
例えば、プロダクトのある機能がうまくいくと確信したとしよう。
その機能を開発し、新バージョンをリリースしたが……うまくいかない。あるいは、期待どおりの結果が得られない。
そのときには、今の機能を最適化するのではなく、次の機能をすぐに考えて、挑戦し、重点的に力を注ぐ。
「失敗」の道のりを進むために必要なDNA
すると、企業には特別なDNA(企業文化や価値観)が生まれる。
そのDNAを持つ企業では、すべての前提とする仮説が単なる仮説であり、挑戦に値するものであり、早ければ早いほどよいと考えられる。
うまくいけば、それで完了だ。うまくいかなければ、次の仮説に挑戦する。
このとおりに道を進み、今度こそはうまくいくと常に信じて新たな挑戦に乗り出したとしても、失敗の旅はとても長い旅になる。
旅の途中、最も長く続くのは、何もかもがうまくいかない時期だ。
創業当初はわくわくすることがたくさん起こる。
新しいものを作り上げた。最初のバージョンに初めてのユーザーがつく。メディアに取り上げられることもある。自分は正しい方向へ向かっているのだと確信する。
だがそのあと、自分が作ったものが、どうしてもうまくいかないと気づくときがやってくる。別の方法も試してみるが、それでもうまくいかない。
最も苦しいのは「手応え」のない状態
果てしない砂漠を歩いて横断すると想像してみよう。
辺り一面、砂に囲まれている。一日中歩き続けても、まわりには砂しかない。寝ても覚めても、砂しかない。くる日もくる日もそれが続く。
前に進んでいるようには思えないが、確実に前進はしている。小さな一歩を積み重ねていけば、最後には砂漠を抜け出すことができる(それまでに死んでいなければ)。
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