「バランス感覚」悪い人に共通する"立ち方"改善法 まずは「チェックテスト」でバランス力を確認
東洋経済オンライン / 2024年4月13日 11時50分
歩行時にムダな動きを伴うため、同じ距離を歩いても余分にエネルギーを消費し、疲労しやすくなってしまいます。
足幅が広く、歩行時に左右に重心がぶれた歩き方をすると、足首、膝、股関節に負担がかかり関節や腱に炎症が起こりやすく、慢性的な痛み、障害(アキレス腱炎、腸脛〈ちょうけい〉靭帯炎など)、関節の変形を招きかねません。
関節の変形というと、高齢者の話のように思うでしょうが、顕著になるのが60代以降であるだけで、実は20代、早い場合は10代から始まりゆっくりと進行していきます。
足の外側(小指側)に体重をかけるクセがついている場合は、歩行時の重心移動がより大きくなります。足の親指と拇趾球にしっかり荷重できないため、歩行時の速度は低下しやすく、疲労しやすくもなります。
「ダメな立ち方」になってしまう理由
でも、なぜ多くの人がこのような立ち方になってしまうのでしょうか。それは「楽」だからです。
足の外側に体重をかけると、あまり筋肉を使わずに立つことができるのです。電車で立ったまま寝てしまう人を見かけることがありますが、間違いなくこの立ち方をしています。脳が筋肉をコントロールする必要がないので、意識レベルが下がってもこの立ち方を維持できるのです。
しかし、この立ち方がクセになっていると、常に膝の内側では上下から圧縮する力(圧縮力)が加わり、膝の外側では上下に引っ張る力(牽引力)がかかるため、膝の内側に炎症が起きるとともに、膝の外側の靭帯(外側側副靭帯)が緩んでしまい、関節の変形を進行させてしまいます。
一度関節の変形が起こってしまうと、意識や運動では修正することはできません。
このような立ち方は下半身だけでなく、全身にも影響を及ぼします。
つま先が外側に向くということは、股関節が外にねじれている(外旋している)ということです。大腿骨と骨盤は連携しているため、股関節が外側にねじれると、骨盤は後ろに倒れやすくなります。
そのままでは上半身が後ろに倒れてしまうので、今度はバランスを取ろうとして背骨全体が丸まります。その結果、腕の重さで肩甲骨が開いて巻き肩となり、また頭が前に出てストレートネックに陥りやすくなります。
ランニングなどの有酸素運動も筋力トレーニングも、この状態で行えば、効率が上がらないだけでなく、体へのストレスを増強してしまいます。(関連記事:固まった筋肉をゆるめるだけ「首・肩コリ」撃退法)
足を意識して日常生活を過ごす
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