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減り続ける「みどりの窓口」混雑は解消されるのか ネット販売増強や券売機の機能拡充で変わる?

東洋経済オンライン / 2024年4月13日 6時30分

JR東日本は2021年5月、チケットレス化・モバイル化を推進し「乗車スタイルの変革を加速」するとして、今後の駅や切符販売のあり方を発表した。

その中で、みどりの窓口については一定の利用のある新幹線・特急停車駅や利用の多い駅を中心に「バランスを考慮した配置へと見直す」とし、発表時に首都圏で231駅、地方圏で209駅だった設置駅数を、2025年にはどちらも70駅程度に削減するとした。一方で、「えきねっと」による特急券などの取扱率を2020年度の約25%から2025年度には60%に、新幹線のチケットレス利用率については約30%から70%にする目標を掲げた。

この発表によると、2020年度の時点で近距離切符以外の利用については約8割が券売機やチケットレスなど、みどりの窓口以外の販売サービスでの購入となっているという。利用者は減っているはずなのに混雑しているのは、少なくなったみどりの窓口に利用者が集中しているためといえる。

みどりの窓口が混雑している現状と、今後の方針についてJR東日本に聞いた。

まず同社は、2021年以前から繁忙期などで首都圏の駅を中心に混雑が発生している状況は認めている。混雑している駅や時期などでは、状況に応じて案内社員の応援体制を整え、利用者の用件をあらかじめ聞いて、自動券売機を案内し、操作をサポートするなどといった対応を取ることにしているという。

みどりの窓口の削減については、2021年当時の計画から変更はないものの、「今後の状況等については注視してまいります」としている。一部の駅では「話せる指定席券売機」を設置、オペレーターによる対応で割引乗車券の発売や、払い戻しなどの業務を行っている。

今後は「えきねっと」などのネットサービス、あるいは「指定席券売機」への誘導策を実施していくという。2023年7月には団体乗車券のWeb申し込みを開始、今年の4月1日からは利用者自身の操作で利用前の乗車券類の大半を払い戻しできるようになった。このようにして、みどりの窓口でしかできない手続きを減らしていく方針だ。「レール&レンタカー」の発売など、一部にはみどりの窓口でしか扱えない業務もあるものの、これらの業務についてもさらに削減・解消を検討し、利用者自身が指定席券売機の操作でできるサービスを拡充するとのことだ。

窓口の需要は今後も残る

今では新幹線や特急列車の利用はネット予約やチケットレスが当たり前のようになり、定期券もスマートフォンでの購入が浸透してきた。しばらく駅の窓口には出向いたことがないという人も多いだろう。混雑はこれらの利用がさらに浸透するまでの過渡期の現象とも考えられる。

だが、ネット予約などに不慣れな人の利用をはじめ、有人の窓口の需要は今後も一定程度残ることが予想される。また、発券がネットなどに移行したとしても、人に相談できる場所の存在は重要だ。JR東日本は鉄道利用や旅行についての相談などができる「駅たびコンシェルジュ」を設置しているが、こういったサービスの利用をもっとわかりやすくするなど、窓口を必要とする人への対応方法はこれからも重要な課題だろう。

小林 拓矢:フリーライター

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