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BM事件で信頼失墜「中古車業界」は変われるか インセンティブ廃止、総額表示など改革の動き

東洋経済オンライン / 2024年4月13日 8時0分

中古車の販売価格の表示は、“車両価格”に保険料などの“諸費用”を加えた「支払総額」にすることが義務化され、消費者にとっては購入金額が明瞭になった。ある調査会社の中古車業界担当者は、「支払総額の義務化で、不透明だった業界環境の一部がリセットされる。これを機に、いかに真面目に商売をしていくか、信頼回復の道はそれ以外にない」と各企業の奮起に注目する。

ビッグモーター問題で明らかになった、板金部門による車両保険の水増し請求については国土交通省が重い腰を上げた。今年3月29日、「車体整備の消費者に対する透明性確保に向けたガイドライン」を公表。板金や塗装などを行う整備事業者を対象に、整備箇所の撮影や自動車ユーザーへの適切な説明を実施することを、”望ましい取り組み”として打ち出した(義務ではない)。

自動車の整備は、一般の消費者にはわかりづらい領域だ。自分の車がどのような整備をされているのか、そしてそれがどのような工数を経ているのかが見えづらく、ブラックボックスとなりやすい。中古車事業者だけではなく、新車ディーラーでも整備領域での不正は頻発している。今回のガイドライン制定が自動車のアフターマーケット全体での信頼向上に繋がることが期待される。

伊藤忠のBM買収に歓迎の声

さらに複数の業界関係者が信頼回復の“妙薬”として熱い視線を注ぐのが、大手総合商社・伊藤忠商事による「ビッグモーター買収」だ。創業家が関わらない形での再建を目指すとされる。

伊藤忠の参入に対し、業界からは歓迎の声が挙がる。ネクステージの広田会長兼社長は、「伊藤忠はしっかりした企業なので、信頼回復もやって頂けると思う。(ビッグモーターの)受け入れ先としてはよかったんじゃないか」、他社の首脳も「業界が受けたネガティブな影響が、伊藤忠によってプラスに転じる可能性が高いと思う」と言う。

新車に比べて安価で入手しやすい中古車は、われわれの生活とも密接に結びついている。そんな中で起きたビッグモーターの不正は、中古車業界全体の信頼を落とした一方、業界の改革機運を高める契機にもなった。ビッグモーターの不正を奇貨に、昔から「レモン市場」として知られる中古車業界は生まれ変われるだろうか。

村松 魁理:東洋経済 記者

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