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静岡リニア「開業10年遅れ」JR東海の経営大丈夫? 突然辞任、川勝知事の「置き土産」が及ぼす影響

東洋経済オンライン / 2024年4月15日 6時30分

川勝知事の辞任に合わせるかのように、県の専門部会が12日、昨年10月以来半年ぶりに開催された。後任知事の意向次第では今後の議論の方向が着工容認に傾く可能性もある。

では、南アルプスの環境などの問題ではなく、JR東海が事業計画を変更したことをなぜ「一区切りついた」というのだろう。その理由として1つ思い当たるのが、富士山静岡空港をめぐる川勝知事とJR東海の確執だ。リニア計画決定前の2010年7月、ルートや経済効果などを検討する国の会議に川勝知事が参加し、東海道新幹線が富士山静岡空港の真下を通っていることを踏まえ、空港に隣接した新駅を設置する提案を行った。2011年5月に同会議がまとめた報告書には東海道新幹線の「新駅設置の可能性」について触れられていた。場所についての記載はないが、川勝知事はリニアが開業すれば空港の真下に新駅ができると信じた。

知事が示した「リニア工事の代償」

川勝知事は空港新駅設置に向け、2015年6月から有識者からなる技術検討委員会をスタートさせた。新駅完成後は県庁の一部機能を空港近くに移転する案まで飛び出した。しかし、JR東海は空港新駅構想には一貫して否定的であり、川勝知事のリニアに対する姿勢も次第に硬化。業を煮やした川勝知事は2016年9月の県議会答弁で、「リニアと既存の新幹線との関係にも念頭を置きながら、JR東海が静岡県のために何ができるか」と発言し、新駅とリニア問題をセットにしてJR東海に働きかけを行っていく意向を示した。それもうまくいかず、その結果が、2017年10月の突然の反対表明である。

2019年6月の定例会見では川勝知事は「リニア工事は静岡県にまったくメリットがなく、工事を受け入れるための“代償”が必要」と発言、具体的な代償の内容について「各県の駅建設費の平均くらいの費用が目安になる」と言い切った。2019年の時点でもまだ新駅にこだわっていたのだ。空港新駅計画をつぶされた腹いせがリニアの事業計画変更という筋書き。このように両者を結びつけるのは、やや強引だろうか。

4月4日、JR東海はリニアに関する今後の発注見通しを発表した。そこには山梨県駅の新設工事の工期が約80カ月、飯田市内に建設される高架橋の工期が約70カ月となっている記載があった。今すぐ契約を締結して工事に着手したとしても工事完了の時期は2030〜2031年ということになる。川勝知事にしてみれば「ほかの工区でも工事が遅れていることが証明された」ということになるが、これも正しい見方とはいえない。静岡工区の完成が遅れることがはっきりした以上、ほかの工区を無理して2027年に完成させる必要はないのだ。

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