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「部下を管理する仕組み」に安住する上司の盲点 日本人が改めて知るべき「伝えること」の大切さ

東洋経済オンライン / 2024年4月16日 11時10分

それは、組織の目指すところと個人の目指すところを一致させることです。そして組織が目指そうとしていることをみんなで共有するプロセスを持つ。そういうことが大事になります。

ロイヤリティ(忠誠心)と滅私奉公に基づく時代から、会社と社員が同じところを目指すという、エンゲージメントとエンパワメントの時代になったのです。

この本の著者のマルケさんも、リーダーである自分が命令すること=管理型のやり方が抱える問題に気づいて、命令をやめています。

命令する代わりに彼がしたことは、「自分たちの目的は何で、何を成し遂げようとしているか」を伝えることでした。まさに、部下に委ねたのです。

さらに彼は、チーム内で話す言葉を変えることで、組織の文化まで変わったという指摘もしています。そうだとするなら、日本人も、組織内のコミュニケーションを変えるべきでしょう。

日本人のコミュニケーションを見ていると、気になる点が多くあります。

「えー、あー、すみません」を言いすぎる

「思いが弱い」「つかみが下手」「同意しすぎる」「はっきりしない」「大局観の欠如」「原稿棒読み」「冗長」「データだけで主張がない」「自分の『いいたい』だけで、相手の『知りたい』を無視」。こんな傾向が見て取れます。

あるいは、「みんなが」「誰もが」「いつでも」といった言葉で一般化したり、「……思います」「……と努力します」と主張をぼかしたり、責任回避をしたり、「えー、あー、すみません」といった言葉を頻繁に口にします。

これらは、無駄や、誤解を生みますし、何より「聞き手の心を動かす」ことが難しい。

コミュニケーションとは双方向のもので、「伝えたい」という自分の思い、「聞きたい」という相手の思いがあって成り立っています。

したがって、「伝えたい」という思いのない人には、コミュニケーションは成り立ちません。

また、相手が何を「聞きたい」「知りたい」と思っているのか、相手に「何を気づいてほしい」と思っているのか、それを実現するために一番いいコミュニケーションは何なのかと考えることができない人にも、コミュニケーションは成り立ちません。

日本企業がコミュニケーションを成り立たせるには、「伝えたい」を持っている人、自分の言葉で目指すところを語れる自立した人材を育成することが不可欠です。

昨今、ワークライフバランスやウェルビーイングといった言葉をよく聞きます。

健康、家族、働きがいを大切にしよう。そして、仕事と生活のバランスを上手にとっていこう。どれも素晴らしいと思います。

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