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同じコンビニが「近所に何軒も出店」の意外な勝算 セブン-イレブンが競合を圧倒する納得の理由とは

東洋経済オンライン / 2024年4月18日 15時0分

このことから、いかにセブン-イレブンが、ドミナント戦略を展開することにより、じっくりと店舗の出店エリアを広げてきたかがわかると思います。

ちなみに、現在の大手コンビニチェーン3社の国内店舗数と、1店舗当たりの平均日販(1日の売上高)は次のようになっています(いずれも、2023年2月期決算より)。

*セブン-イレブン

・国内店舗数:2万1402店舗 ・平均日販:67万円

*ファミリーマート

・国内店舗数:1万6533店舗 ・平均日販:53万4000円

*ローソン

・国内店舗数:1万4631店舗 ・平均日販:52万2000円

見事なまでに、全国展開にじっくり時間をかけた順に、現在の店舗数、平均日販になっています。

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

自社競合もいとわないドミナント出店

急速に進む少子高齢化と人口減少により、いま、日本国内の小売市場は成長頭打ち状態に入っています。そのなかにあって、まだまだ成長を続けている市場がドラッグストアです。

その大手チェーンのなかにも、ドミナント戦略を打ち出し、成長を図っているところがあります。

創業は九州の宮崎県、九州エリアで圧倒的なシェアを誇るコスモス薬品は、大手食品スーパー顔負けの食品売上をあげているドラッグストアです。同社は成長戦略としてドミナント出店を掲げ、「自社競合もいとわない」勢いで東へ、東へと拡大を続けています。その勢力はいまや関東にも広がり始めています。

福井県・石川県を本拠に、岐阜県、愛知県、滋賀県へと南下を進めるGenky DrugStoresの場合は、「シェアナンバーワンになるまでは新規エリアに進出しない」という方針のもと、徹底した店舗運営の標準化と単純化、自前の物流センター構築を進め、どこの同社店舗を利用しても、生鮮品や総菜を含め、同じように買い物ができる店舗展開を図っています。

立地条件によって店舗の機能を振り分ける

神奈川県で圧倒的シェアトップのクリエイトSDホールディングスでは、県内でのドミナント化を進めています。

食品スーパーを子会社にもち、青果・精肉・鮮魚の生鮮三品も扱う同社ならではのドミナント展開にもチャレンジしています。

たとえば、ある私鉄駅から徒歩5分圏内に3店舗を展開していますが、それぞれの立地条件により、少しずつ店舗の機能に違いを設けています。

線路沿いにあり、駅からすぐ目に入る店では、日用雑貨、医薬品、化粧品のほかに、加工食品、生鮮品にも力を入れています。

同店とは駅の反対側にある店では、生鮮を扱わずに、調剤薬局を併設し、駅からいちばん離れた場所にある店の場合は、敷地に余裕があることから十分な駐車場スペースをとり、ストック用としてのまとめ買いが見込める冷凍食品を充実させています。

こうした機能や品揃えの差別化により、同じクリエイトSDの3店舗を顧客が使い分けられるように利便性を高めています。

角井 亮一:イー・ロジット取締役会長兼チーフコンサルタント

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