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「子どもへの欲→焦り」を最小化する3つの手段 「中堅校狙いでいい」と言う子どもへの対応は?

東洋経済オンライン / 2024年4月18日 11時40分

②次に、それを子どもに言語化して伝えてください

思っているだけでなく、機会があれば、長所を言語化して子どもに伝えてみてください。「よく気がついて助かるわ」「笑顔がとてもいいね」「その姿勢は美しいね」など状態の長所でもいいですし、「計算速いね〜」「電車の知識はすごいね〜」と能力の長所でも構いません。要するに、子どもの中で凸の部分を言語化して伝えてあげるだけで結構です。

以上のステップによって、子ども独自の基準ができます。この段階で、親の欲、期待、焦りはかなり最小化していると思います。

(3)欲、期待、焦りに使っていた“エネルギー”の向きを変える〜どうすれば今を楽しめるか

最後の方法は、“エネルギー転換”です。今までは子どものことが気になって、気になって仕方がない状態だったと思います。しかし、気にしたところで、余計な声かけをしてしまったり、イライラするだけだったりします。そこで、これまで子どもへの欲、期待、焦りに使っていた“エネルギー”を別に使っていきます。

イメージとしては、スマホのアプリを想像してみてください。「欲アプリ」「期待アプリ」「焦りアプリ」をいつもフル稼働させているため、スマホの電池(エネルギー)はそこで消耗されます。そのようなアプリに電池を使うのではなく、「楽しむアプリ」に電池を使います。具体的には次のようなことです。

「今日という子どもとの貴重な時間をどのように楽しんで過ごそうか?」に意識を向けていきます。すると「楽しむアプリ」に電池が使われていき、「欲や期待や焦り」に向けるエネルギー量が少なくなっていきます。人は同時にいくつものことに意識を向けることができません。子どもを前にしたときに、子どもとの貴重な二度とやってこない「◯歳◯カ月◯日という今日を」どのように楽しく過ごすかと考えていけば、欲や期待、焦りは出てきにくくなります。

円満な家庭を築きつつ、子どもを伸ばすために

以上、3つの手段についてお伝えしました。これらは一見、欲、期待、焦りを最小化させるためだけの方法に見えると思いますが、実はその続きがあります。

これらを行うことで、今までやっていた子どもへの不要な圧力、声かけ、態度が変わっていきます。その結果、子どもに行動変容が起こります。本来の子どもが持っている力が発現し、その子らしく生き生きと活動ができるようになるのです。

中学受験をする親子で「親の子どもへの過度な欲、期待、焦りによって子どもを伸ばさないだけでなく、潰してしまう」こともあると聞きます。また、学力は伸びていても親子関係が悪かったり、夫婦仲が悪化していったりする場合も少なくないと聞きます。学力向上、合格のためなら、親子の信頼関係や家庭内雰囲気を犠牲にしてもよいとしたら、それは本末転倒です。そうではなく、親子の信頼関係を強め、円満な家庭を築きつつ、子どもを伸ばすことは十分可能なのです。そのためには、「親の子どもへの欲、期待、焦り」を最小化させる3つの手段を1つだけでもいいので実行してみてください。その効果に驚くと思います。

石田 勝紀:教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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