投資ブームを煽る「誇張や断定」とどう付き合うか 後藤達也×田内学「お金と投資」対談【中編】
東洋経済オンライン / 2024年4月18日 7時0分
新NISA導入や株高を受け、「お金の本」に注目が集まっている。
そんな中、特に多くの読者の支持を集めているのが、2024年1月に刊行され13万8000部を突破した『転換の時代を生き抜く 投資の教科書』(後藤達也著、日経BP)と、2023年10月に刊行され19万部を突破した『きみのお金は誰のため――ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』(田内学著、東洋経済新報社)だ。
今回、東洋経済オンラインでは著者の後藤達也氏、田内学氏の対談を企画。投資、経済、金融教育など、「お金のこと」について幅広く語り合ってもらった。
※本記事は東洋経済オンラインと日経BPの共同企画の中編です。記事末のリンクから、前編は東洋経済オンラインで、後編は日経BOOKPLUSでお読みいただけます。
―――後藤さんは、アメリカ経済の話を本の中でも頻繁に触れられていますが、具体的にはどういうことに注目していらっしゃいますか。
【田内学×後藤達也対談を動画で見る】株高の今「怪しい経済情報」のここに注意
後藤達也(以下、後藤):まずは、アメリカ経済の強さですね。この1~2年間、記録的なインフレに見舞われて、利上げを重ねなくてはいけない状況になってしまったにもかかわらず、リセッションには陥らなかった。確かに絶好調期からは少し減速したかもしれませんが、あの国の底力の強さを改めて感じさせられた2年間でした。
経済が好調に推移しているので、利下げが遅れて株価には逆風になるという話もありますが、俯瞰すればとにかく強いと感じます。
今年1年に関して言うと、いろいろなリスクはあると思いますが、やはり大統領選挙の行方が最大のリスク要因でしょう。トランプになるかどうかで、株価や経済だけにとどまらず、地政学的にも、環境対応にしても、ありとあらゆることが劇的に変わってしまう可能性があります。バイデンとどちらが大統領になるかは、壮大な不確実要因ですね。
仮にトランプになると仮定しても、正直どういう世界になるかわかりません。8年前にもトランプになったらなるだろうと言われていた世界があって、そのとおりになった部分もあったし、いろいろ問題が起こったりもしました。でも、少なくとも経済は好調に推移し、株価はめちゃくちゃ上がりました。
事前には、「もしトランプが大統領になったら、株価が暴落する」と言われていたにもかかわらずです。ですので、本当に壮大な不確実性ですね。
後藤氏「トランプは”手あたり次第”の可能性も」
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