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全員カモ!?激安商品売る企業「不都合な真実」 安物買って後悔しないための「金融リテラシー」

東洋経済オンライン / 2024年4月19日 10時30分

つまり、ヴェールに隠された属性がどこに潜んでいるのかをくまなく探す努力をしなければならない。とはいえ、存在しないふりをするよりはいい。あいにく、収入、学歴、金融リテラシー、数学能力が低い人々は、隠された属性に加えて、他の搾取的なマーケティング活動にもとりわけ弱い傾向がある。

幸いにも、彼らは「ブースト〔人々の意思決定能力を育んで態度を変化させるアプローチ〕」や「ナッジ〔望ましい行動を取れるよう環境条件を整えて人々を後押しするアプローチ〕」などを用いて人々の選択をよい方向に導こうとする善意の取り組みから大きな恩恵を受けることもできる。

たとえば、経済的にもっとも正しい選択肢を選ぶ確率を高めるために、その選択肢をデフォルトで選択させておくといった方法を用いることで、こうした人々が適切な意思決定をするのを後押しできる。しかし、多くの人はそうした手助けが必要だと思っていない。

ある調査によると、何かを決めるときに、「いいアドバイスを与えられれば正しく判断できる」と予測した人は65%だった。一方、「悪いアドバイスを与えられても正しく判断できる」と考えた人は64%と、ほぼ同じであった。

消費者は損得計算をするのが実は苦手

プリンターのように形のある商品は、本当のコストを覆い隠すのに適している。銀行口座、クレジットカード、住宅ローン、市場で広く販売されている投資商品などもそうで、通常、隠れた料金やペナルティなどが含まれる。

だが、どの支出にも売り手が買い手に考慮してほしくない属性がある。「機会費用」だ。経済学は機会費用を「あるものを選択することで失うことになる、次善の選択をした場合に得られる利益」と定義している。お金以外にも限られた資源、特に時間が当てはまる。

たとえば、大学に4年間通うと決めた人は、その間は、給料を稼ぐなどの別のことをしない選択をしている。標準的経済学では、顧客は機会費用を十分に承知していると仮定する。同じ価格でも、商品Bではなく商品Aにお金を使うと決めたということは、その人がBよりもAが気に入っていることになる。

ある人が大学に行くと決めたのは、行かなかった場合に4年間で得られた給料や経験よりも教育を重視したか、あるいは長い目で見ればそれ以上の稼ぎが見込めると考えたからだ。標準的経済学では、人は相対コストや相対的な費用と利益を独自の価値観にもとづいて比較検討し、最大のリターンが得られる選択肢を選ぶとされる。

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