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「毎日同じことの繰り返し」から部下を救うには 仕事に区切りをつけるための「正しい労い方」

東洋経済オンライン / 2024年4月19日 9時0分

まず、何かを達成したと実感させる効力がない。

形だけ労ったところで、やり遂げた人が苦労話などをする機会が生まれないし、次のステップへ移るタイミングだと気づかない恐れがある。それでは、今後役に立つことが何も掘り出せない。

形だけの労いは、協力関係からではなく、上の立場から生まれる。それは下の立場の人を外から称えるだけのものであり、彼らと一体になって達成を喜んでいるのではない。

「よくやった」と言うだけの褒め方はよくない

労いは、「称えること」と同義ではない。

外から褒め称えることが労いだと自動的に考える人はあまりにも多い(その原因は両親のせいであることがほとんどだ)。

昔ながらの称賛を送ったところで、職場では何の意味もない。称賛された人は、称賛した人に対して、支配的で身勝手で、恩着せがましいと感じるからだ。

◆「よくやった」

◆「すごい!」

◆「本当に頑張った」

こうした言葉は、外から褒め称える労いの典型だ。

なぜ「外から」になるかというと、褒める人は、褒めることで自分がいいことをしている気分になり(親が子供を褒めるときも同じだ)、達成したことの良し悪しを判断する立場になっているからだ。

「外から」ではない褒め方の例とは

「すごい」といった褒め言葉は、褒めた当人が、すごいと感じている自分がすごいという心理的な報酬を得ているのだ。

いい気分になるのは褒めたほうであり、褒められた相手には、内発的ではなく外発的な動機づけが生まれる。

その結果、達成することそのものではなく、親や上司を満足させるという外的な要因で満足を得ようとするようになる。

この種の発言は、マネジャーや責任者に良し悪しを判断する権利があると言っているようなものだし、発言の目的は明らかに、褒めた行動の頻度を増やさせることにある。

これは人を操る行為であり、他者の言いなりにしていればいいというメンタリティを誘発する。

では、「外から」ではなく、一体となって労うとはどういうものか。

それは、相手の言動を評価することなく感謝を伝えることであり、良し悪しを判断することなく見たままの感想を伝えることであり、褒め称えるのではなく相手の言動を尊重することである。

自分が見たままを描写し、それに対する感謝の意を表すと、労いは次のような言葉になる。

◆「プレゼンを3つのセクションに分けたのか。なるほど、そうした意味がよくわかる」

◆「予定どおりに製品を発表できそうだね。君のチームはあらゆる部署と連携をとってきた」

◆「例の提案を昨日送ってくれたんだな。ありがとう。おかげで週末までにクライアントに目を通してもらえそうだ」

相手の言動を描写するときは、「なるほど」「~だとわかる」「~になりそう」といった言葉を使うことを心がけるとよい。

L デビッド マルケ:米海軍攻撃型原子力潜水艦「サンタフェ」元艦長

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