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「失敗を怖がって行動できない」人に伝えたいこと 坂東眞理子さん「挑戦して気付くこともある」

東洋経済オンライン / 2024年4月19日 15時0分

「少しぐらい迷惑をかけられてもお互いさま」と思えれば、自分も適度に迷惑をかけるのを恐れなくなります。

「失敗したらおしまいだ」と思い込んでいる人はたくさんいますが、現実には失敗しても、そこから立ち上がった人はたくさんいるのです。けっして失敗で人生が終わるわけではありませんし、失敗すると一生みじめな状態が続くわけではありません。

たとえば1997~98年の金融危機で、日本長期信用銀行、三洋証券、北海道拓殖銀行など、日本の大銀行や大証券会社がいくつか倒産したり、合併されたりして、多くの人が転職を余儀なくされました。

私も当時は「定年まで働くつもりで就職した大銀行が倒産するなんて、なんて運が悪い、気の毒な人たちなんだろう」と同情したものです。

しかし、転職して苦労された方も多かったでしょうが、その後四半世紀たってみると、彼らはそれぞれ新しい職場で頑張って、成功しています。

大銀行で定年まで働くより、むしろいろいろな分野で新しい経験を積み、充実した職業生活を送ったのではないか、そう思える方がたくさんいます。

定年まで働くつもりだった安定した職場がなくなって、否応なく転職・求職せざるを得なくなったときは大変で不運だと、嘆いていたかもしれません。

でも、数年すると、力のある人たちは新しい職場で新しいチャレンジをはじめています。多くの人は組織が固まっていた大企業より、自分の能力を発揮しているのです。

利己心を捨てる広がる世界

もちろん、安定した仕事について収入を得て、安定した家庭を築き、そこそこの生活を送るというのも幸せな人生です。8勝7敗でいろいろ苦労するより、勝負をしないほうがよいという考え方も否定しません。

しかし、あまりに安定を求めすぎると失敗を怖がるようになります。

失敗を恐れると何もできず、何もしないで終わってしまう。それでは人生に不完全燃焼感が残ります。 失敗するかもしれないけれどチャレンジしてみると、うまくいかなくても納得できるはずです。ヒットは打てなくても、打席に立ち続けましょう。

そして、失敗することで多くの人は人間的に成長します。

状況判断、能力・スキル、何が足りなかったか、いやというほどわかります。失敗するつらさ、悔しさ、恥ずかしさ、自信喪失、絶望を経験すると、そうした状態にある人の悔しさ、つらさがよくわかってきます。

どん底に陥ったとき、人からかけられた温かい一言がどんなにありがたいか、身に沁みます。

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