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映えない「ディストピア飯」地味に人気の続くワケ 人々が食いつく背景には何があるのか

東洋経済オンライン / 2024年4月19日 11時40分

映えない「ディストピア飯」地味に人気の続くワケ

「ディストピア飯」をご存じだろうか? 2017年からツイッター(現X)を中心に、SNSでさまざまな人が投稿し続けている人気の再現料理だ。ディストピア飯とは、SF映画などに出てくる食事をイメージし、崩壊した近未来に配給されるであろう、食欲をそそらず映えもしない無機質なワンプレートの再現料理を指している。

【写真】まったく食欲をそそらないディストピア飯

インターネット上の「ピクシブ百科事典」や「Weblio辞書」にも解説が載るほど定着。2021年、ディストピア飯ファンという集英社の編集者が、自社のウェブマガジンで、「ディストピア飯小説賞」を立ち上げて作品を募集し、2023年にも投稿が企画されている。現代の「映え文化」と真反対のこうした料理が人気を保ち続けているのはなぜだろうか。

「ディストピア飯」の展示会を開催

自らディストピア飯を作品化し、ディストピア飯事情にくわしいアーティスト、三原回氏がディストピア飯の存在を知ったのは、流行初期の2017年頃。2020年3月には、ユートピア型の食事をイメージし、「ユートピアン・ミールズ」とタイトルを付けたディストピア飯の写真と動画の展覧会を、下町のギャラリーで開いてもいる。

希望者が実食できる形にしたところ、150人ほど訪れた来場者のうち、食欲をそそらない見た目から「自分はダメだ」と言った少数以外は、全員が実食を希望し完食した。青や緑のペースト状の料理は、キャンベルのチキンクリームスープに着色料で色をつけたもの。ほかにコーンミール、クスクス、チーズ、マッシュポテト、ヨーグルトなどを使用した。

「錠剤はデザートのイメージですが、ラムネやサプリメントなどを使っています。棒状の食べ物はカロリーメイト。カロリーメイトは、そもそも栄養補給食です」と三原氏は説明する。

ディストピア飯の明確な起源は明らかではない。が、三原氏によると、おそらく最初にツイッターに投稿した火付け役、「死んだゾンビbot」(すでにアカウントが消されている)には2種類のディストピア飯の投稿があった。

1つは、コンビーフ、さきイカ、ソイジョイ、ビタミンドリンクなどを紙皿に並べた写真で、『核戦争後の荒廃した世界』チームとして、「今日は肉にありつけただけまだマシだぜ」とタイトルを付けている。

もう1つはカロリーメイト(ディストピア飯では定番)とビタミン剤、ウィダー・イン・ゼリーなどの『コンピュータに管理された未来』チーム、「昨日Aブロックで騒ぎがあったらしいぜ」という投稿。どちらもコンビニで売られる食品だけで構成されている。

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