ギネス記録"コスプレ&経営者"よきゅーんの半生 アイドルから経営者へ転身…波乱万丈の20年
東洋経済オンライン / 2024年4月21日 12時0分
グループが伸び悩んでいるのなら「メンバーを変える」のは運営の方法のひとつとしては必然で、「たとえば、個別のCDの売り上げが1番だったら、卒業はなかったかもしれない」と俯瞰する。
当時、現場を共にしてきたスタッフからは「よきゅーんが悪いわけじゃない」とねぎらいも。
ただ、芸能界もビジネスであり、構造を考えるとお金を動かせる者が「全権」を握る。
この世界では「数字が結局は説得力を持っている」と、よきゅーんが悟るきっかけになった。
20代で芸能界、現実の厳しさを知った。そして、30代で一変。経営者としての道を歩きはじめる。
最初は、名古屋の人気つけ麺店や、古くからの業界の知人と数名で、メイド喫茶「Carnival☆Stars」を運営。株式会社Carnivalを立ち上げ、名古屋を拠点にした店舗はのちに、東京へのフランチャイズ展開も果たした。
「えなこ」との出会いがマネージメントの原点に
30代で経営者となったのを機に、所属していた芸能事務所を辞めた。
メイド喫茶では、店舗のキャストもステージに上がり客席を盛り上げる。並行して、知人がプロデュースする女子アイドルグループのサポートもするようになった。
当時の経験は、タレントマネージメントの原点に。知人を介して、えなこと出会ったのもその頃だ。
メイド喫茶運営の「終盤」には、会社とは別に、えなこを紹介した知人がプロデュースするグループアイドルのマネージャーも兼業。
しかし、紆余曲折あり、結果としてグループは解散。そこからは、えなこのマネージメントを継続していた。
えなこの人気が上昇し、毎日の売り上げに左右される飲食事業と、マネージメント業の並行は「厳しい」と判断。
しばらくして、芸能事業のみの展開にしようと決意し、PPEが誕生した。
出会った当時、えなこはすでに「コスプレ界で名が売れていた」と振り返る。
ただ、今でこそ青年誌の表紙を相次いで飾るほどの知名度を誇るが、『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で初の雑誌グラビアを務めるまでの背景には、えなこと二人三脚での努力があった。
売り込みの苦労で「絶対に負けねぇ!」と
「えなこさんと何かお取り組みができないか?」と声をかけてくれた、とある出版社へ訪れた際、紹介された編集者からは「彼女の同人誌は、どれぐらい売れてるの?」と聞かれたという。
実数として、えなこの同人誌は当時から数千冊は売れていた。
しかし、編集者は「その程度では……」とポツリ。まだまだ力不足であることはわかってはいたが、改めて「見返そう。絶対に負けねぇ!」と奮起した。
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