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打倒アクセンチュア!伊藤忠×ボスコンの新戦略 悲願の戦略コンサルと合弁「ピースがそろった」

東洋経済オンライン / 2024年4月22日 7時40分

「戦略コンサルからCTCのシステム構築などのグループビジネスにおのずとつながっていく。I&Bに出向したグループ社員が会社に戻って、吸収したノウハウを顧客提案に生かすこともできる。グループ企業の営業力強化にもつながる」と堀内氏は話す。

BCGにとっても「実業」のメリット

一方、BCGにとって、I&Bは国内で初、世界でも珍しい他社との合弁事業になる。

「伊藤忠とは10年間、コンサルと顧客の関係だったが、われわれコンサルは実業をやりたいという思いがつねにあった。新たなパートナーシップに踏み出す意義は大きい」。BCGの桜井一正マネージングディレクターはそう語る。

顧客はコンサルに戦略策定だけではなく「実践」を求める傾向にあるが、「業界を見渡しても、通常のコンサル業務の延長でうまくいっている事例は少ない」(桜井氏)。I&Bは、BCGにとって「実行能力」を示す有効な手段になるというわけだ。

実は伊藤忠とBCGは1年前から案件獲得に共同で乗り出し、すでに自動車メーカーのシステム更新案件をはじめ、金融機関のシステムクラウド化などの案件を獲得している。

BCGの桜井氏は、「われわれはM&Aや組織戦略など、必ずしもITにひも付かないコンサルの経験が豊富。ITにつなげることが前提のアクセンチュアとは業態の違いもあり、競合とは考えていない」と話す。I&Bではアクセンチュアとは異なる顧客層の開拓が進む可能性もある。

顧客目線でアクセンチュアに対抗

では、I&Bのサービスにはどのような特長があるのか。キーワードは、「テーラーメイド」と「アン・バンドル」だ。

「これまでもBCGとはさまざまな案件で付き合いも長いが、パッケージ化された教科書的なものはいっさい出てこない。I&Bのサービスも顧客目線にこだわったテーラーメイドになる」(伊藤忠の関川潔情報産業ビジネス部長)

「アン・バンドル」とは、特定のベンダーを押し付けないということだ。日本のIT業界ではハードウェア、ソフトウェアの選定から保守サービスまで、元請け企業がすべてをパッケージ化して提供することが多い。

これに対して、伊藤忠は「われわれがここを使うと儲かるからという理由でベンダーを特定してソリューションパッケージを押し付けるようなことはしない。お客さんが一番良いと思うサービスをわれわれのグループから選んでもらってもいいし、グループ外から選んでもらってもいい」(関川部長)ということだ。

テーラーメイドにしてもアン・バンドルにしても、要は伊藤忠が得意とする「マーケットイン」の発想だ。顧客目線にこだわったデジタル企業群は、アクセンチュアの牙城を切り崩すことができるだろうか。

森 創一郎:東洋経済 記者

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