ウエルシア「不倫問題」で社長辞任、2つの懸念 松本氏は経営統合のキーパーソンだったが…
東洋経済オンライン / 2024年4月22日 7時20分
「私生活において不適正な行為があり弊社の信用を傷つけるものであると判断した」――。
【図表】ウエルシアHDは業界2位のツルハHDと経営統合を協議中
4月17日、ドラッグストア首位のウエルシアホールディングス(HD)は、松本忠久氏が同日付で社長を辞任すると発表した。「週刊新潮」が報道した松本氏の不倫騒動を理由として、会社側が辞任を勧告した。
「家庭のある身でありながら不倫関係を持つことは不適正であり、何もしないわけにはいかないと判断した」(ウエルシアHD広報)。会社の金銭を不当に使った可能性も調査中だが、4月17日時点では確認できていない。
松本氏はウエルシアHDの親会社であるイオンでも執行役ヘルス&ウエルネス担当を兼任していたが、同17日に解任。4月18日以降、当面は池野隆光会長が社長を兼務するが、後任を検討し、決定次第発表するという。
M&Aで業界初の1兆円企業に
ウエルシアHDはドラッグ業界首位。調剤併設型の店舗を多く展開するのが特徴だ。1990年以降は、他社と合併を進めながら規模を拡大してきた。
2002年に池野会長が創業した池野ドラッグを合併。松本氏が社長を務めていた「いいの」も2006年に合併している。
松本氏は介護事業を展開する寺島薬局の社長、ウエルシア薬局副社長などを経て、2019年にウエルシアHD社長に就任。2019年2月に1284店だった調剤店舗数を、5年後の2024年2月には2155店まで急拡大させた。
2021年には調剤薬局を展開する愛媛地盤のネオファルマーを買収するなど店舗網を広げ、2022年にはドラッグストア業界で初めて売上高1兆円を達成。
松本氏はウエルシアHDを業界トップに成長させた人物だが、今回の不倫騒動を機に、舵取り役を離れることとなった。
松本氏の辞任でまず懸念されるのは、現在進めている経営統合への影響だ。
ウエルシアHDは今年2月末、業界2位のツルハHDと経営統合の協議を開始すると発表した。ウエルシアHDがツルハHDの子会社になるいびつなスキームではあるものの、松本氏はウエルシアHDの代表として議論を進めてきた。2兆円規模のドラッグ連合実現を目指し、足元では独占禁止法上の問題点の解消を試みている最中だった。
松本氏は長らくツルハHDやイオンの経営陣と関わってきたキーパーソンだ。イオン、ウエルシアHDやツルハHDなどが医薬品のPB(プライベートブランド)を共有するハピコムグループのメンバー各社で3カ月に1度集まり、商品や薬剤師の教育について情報交換をしてきた。松本氏もその場でツルハHDの鶴羽順社長などと意見を交わしてきた。
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