新宿駅西口再開発「東口が見通せる」風景の大変貌 広場に巨大スロープ、都庁超え高層ビル建設へ
東洋経済オンライン / 2024年4月23日 6時30分
山手線や中央線などJR各線をはじめ、私鉄の小田急線に京王線、やや離れて西武新宿線、そして東京メトロ・都営地下鉄各線と、多数の鉄道路線が乗り入れる新宿駅。「世界一のターミナル」とも言われる同駅の西口再開発が本格化している。
【写真を見る】いつの間に?小田急百貨店本館が解体され、空が広くなった新宿駅西口。以前と見比べると……?
長らく西口の「顔」的存在としてそびえたっていた小田急百貨店新宿店本館が2022年10月に営業を終えて解体され、現在は西口駅前から東口の商業ビル「ルミネエスト」がはっきりと見通せるようになった。駅前広場では将来の東西連絡デッキ建設に向けた構台の工事が進み、地下でも京王線の駅改良工事が4月中に着手。都内のターミナル再開発といえば近隣の渋谷が代表格だが、新宿もその姿を大きく変えつつある。
「空が広くなった」西口駅前
小田急百貨店本館が解体され、ぽっかりと穴が空いたように見える新宿駅西口。以前、同館を取り巻くように延びていた歩行者デッキも解体され、駅前は一気に空が広くなった。
日頃から新宿駅を利用していても、地下を経由する乗り換えがほとんどの人は地上の変貌に驚くようだ。京王百貨店の前で待ち合わせをしていた、京王線とJR線の乗り換えで毎日駅を利用しているという40代の男性は、「久しぶりに地上に出たら小田急デパートが完全に消えていて、風景が以前とまるで違ってびっくり」と驚きをあらわにした。
【写真20枚以上】小田急百貨店新宿店本館が解体され、東口の「ルミネエスト」が見通せる状態になった新宿駅西口など
小田急百貨店本館の跡地とともに西口駅前で目を引くのが、巨大なスロープとデッキのような施設だ。東京都都市整備局新宿駅直近地区整備課によると、これは線路上をまたいで駅の東西を結ぶ歩行者デッキを建設するための「仮設構台」と、そこに作業用車両などを搬入するスロープだ。
東京都と新宿区は2018年3月、今後の新宿駅周辺再開発の指針として「新宿の拠点再整備方針」を策定した。2040年代を見据えて駅や駅前広場、駅ビルなどを一体的に「新宿グランドターミナル」として再編する構想で、駅の東西を結ぶ歩行者デッキの整備はその重要な要素の1つだ。
従来、新宿駅周辺の大きな課題は西口側と東口側の「分断」だった。2020年7月に地下の東西自由通路が開通して通り抜けの利便性は改善されたが、「歩行者動線をさらに強化するために、地上にデッキも整備する」(都市整備局)。仮設構台とスロープはこのデッキを建設するための工事用施設で、構台がそのままデッキになるわけではないという。
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