いなば食品、大炎上でも「不買運動」が起きぬ理由 キリンはあれだけ盛り上がったが…どこに違いが?
東洋経済オンライン / 2024年4月23日 18時10分
缶詰などで知られる食品メーカー「いなば食品」が炎上している。新卒社員をめぐる文春報道を皮切りに、SNSではインフルエンサーのもとにタレコミも相次ぎ、さらなる炎上に発展しつつある。
【画像】ボロ家と報じられたいなば食品の「一般職」向け新人社員寮、書き換えられたリリース…などの様子(6枚)
こうした不祥事が起きると、しばしば「不買運動」が始まる。購入をボイコットすることで、企業への経済的ダメージをもくろむもので、企業経営のあり方が問われる際に行われがちだが、今回はあまり見られない。
ここ最近の不買運動は、SNSを中心として発生することが多い。ネットメディア編集者として、10年以上にわたってそうした事例を見てきた筆者の経験を交えつつ、いなば食品のケースが現状では不買運動につながっていない理由を考察してみた。
【画像】ボロ家と報じられたいなば食品の「一般職」向け新人社員寮、書き換えられたリリース…などの様子を見る(6枚)
新卒辞退者が9割に達していると報じられ…
まずは、いなば食品の騒動をおさらいしよう。2024年4月上旬、『週刊文春』が同社の新卒辞退者が9割に達していると報じた。記事では、新入社員の寮として「ボロ家」をあてがったなどと紹介している。
いなば食品は報道を受けて、プレスリリースで経緯説明と謝罪をしたが、そのタイトルが「由比のボロ家報道について」だったことや、文節ではない部分に「謎の改行」が挿入されていたこと、病気で急逝した副社長に責任転嫁しているような内容であることなどを理由に、さらなる炎上を招いた。
一連の騒動は、東洋経済オンラインでの筆者コラム「いなば食品『怪文書発表』がマズいこれだけの理由」などを通して拡散し、多くのネットユーザーの興味・関心を招いた。
また「炎上系」と呼ばれるインフルエンサーのもとには、新たな告発がタレコまれているようで、厳しい社内規律などの新たな疑惑が、日を追うごとに伝えられている。
追加情報の真偽はさておきながら、先述のプレスリリースのみでは対応が不十分に感じられ、いまなお消費者の疑念は払拭されたとは言えない。しかし、不買に言及するSNS投稿はチラホラ見られるが、ここまで企業が炎上したことを踏まえると、その数はさほど多くないようにも感じられる。
思い出される、キリン不買運動
食品メーカーと「不買運動」と聞いて思い出すのは、つい数カ月前に起きた缶チューハイ飲料「キリン 氷結無糖」をめぐるものだ。経済学者の成田悠輔氏を広告に起用したところ、同氏による過去の発言に批判的な人々が、SNS上で「#キリン不買運動」のハッシュタグ付きで、抗議の投稿を拡散。結果としてキリンは、広告展開を取りやめた。
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