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ダイハツ新社長「トヨタと組みながら戦っていく」 不正防止策受けた開発計画を年内にも策定

東洋経済オンライン / 2024年4月24日 8時0分

10年20年30年のスパンで考えると、グローバルで1億台の新車市場、20億~30億台の保有市場で、新興国の比重が高まっていくことは疑いようがない。そこで脱炭素に対応した車を出せるという点で、グループとしていい貢献ができると考えている。まずはお客様の安心安全を取り戻すのが第一歩だが、次の一手は新興国開拓でこの会社のポテンシャルを使わないことにはもったいない。

――具体的にどの市場を狙っていきますか。

世界地図を見たときに、スペースがあるのは南米とアフリカだ。1.2~1.5リッター前後の小型車は十分に可能性がある。いずれもヨーロッパと似た町のつくりになっており、狭い道も多い。良品廉価な車を供給できれば、市場はあると思っている。

日本の小型車市場は縮小していく

――日本市場で約4割を占める軽自動車もダイハツにとっては欠かせません。

日本の新車市場は500万台、うち軽自動車は185万台程度だ。ダイハツはこのうち65万台くらい。ただ、今の水準をキープし続けるのは相当大変だ。長期的には少子高齢化も進んでいくので小型車全体の市場も縮小していくのではないか。

――軽自動車は、一般の乗用車に比べて採算が厳しいとされます。

確かにそうだ。ただ、われわれの生産販売規模200万台のうち国内半分、海外半分だ。国内の新車はあまり儲からないが、補給部品やアクセサリーなどで採算をプラスに持っていっている。小型車が軸の海外は比較的いい収益だ。

その中で、国内市場が減るとますます厳しくなるので、その分を海外で稼げるようにしていくのが好ましいと思っている。伸びない市場にどんどんモデルを投入して突っ込んでいっても総量が増えず、繁盛貧乏になっていく。お客様のニーズを捉えて、いいタイミングで変えていくことが大事になる。

――ダイハツはよく良品廉価と言いますが、トヨタとの違い、強みをどのように認識していますか。

簡単に言うと、ダイハツは日本の軽自動車から「ライズ」やインドネシア向けの「ヤリスクロス」といったBセグメントのモデルを造っている。トヨタは(小型の)Bセグメントの車を開発する場合、基本的には(中型の)Cセグメントの車種から部品転用をする。安いところから上位のセグメントを造るのか、上のセグメントから小型セグメントの車を造るのかがダイハツとトヨタの違いだ。

――ものづくりのアプローチも異なるということでしょうか。

例えば、パワーステアリングをトヨタとダイハツがつくるとなると、ダイハツは軽用から強化して小型車用を作り込む。トヨタは逆だ。そうするとできあがった製品はまったく違うものになる。1つの部品が1000円、2000円の差でも複数の部品を積み上げていけば、台当たり2万円違う。2万円違えば、100万台で200億円、ダイハツは200万台つくっているので400億円くらい収益インパクトは異なってくる。ここにダイハツの強みがある。

超短期開発を諦めるのはやむを得ない

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