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「せっかく褒めたのに」逆効果の言い方にご用心 一流の上司はどんな「褒め方」をしているのか

東洋経済オンライン / 2024年4月25日 9時0分

パフォーマンスを向上させたいなら、相手がコントロールできること(努力)を労い、コントロールできないこと(成果)には触れないでおく。

たとえば、あなたが率いるソフトウェアの開発チームが作業(赤ワーク)を終了したなら、「やり遂げたみんなを誇りに思う」などとは言わない。

「この製品を生み出せたのは、さまざまな部署と連携を図るという難局を乗り越えたおかげだね」と伝えるといい。

あるいは、製造チームが不良品を見つけて生産ラインをとめたなら、「よくラインをとめてくれた」や「今度は何があった?」とは言わない。

「ありがとう。不良品を見つけてラインの停止を呼びかけてくれたおかげで、その問題を一掃できそうだ」と労おう。

このように見たままを描写するには、それを行っている人の内面の葛藤にもしっかりと目を配る必要がある。

質問を上手に活用する

一般に、親やコーチは子供や生徒を間近で観察できるので、成果ではなく具体的な行動について意見を述べることができる。

しかし今日の職場は、チームのメンバーが分散して働くことが可能になり、個々人が離れた場所で作業することも少なくない。

となると、意思決定(青ワーク)の時間にその前にした作業(赤ワーク)を振り返るとはいえ、赤ワークの時間に各自が何をしているのかを、目で見て直接確認することはできない。

ならばどうすればいいのか? 質問すればいい。

労いの時間を設けることで、実際の作業(赤ワーク)を行っていたときの話を周囲から教えてもらえる時間が生まれる(労うことについては以下の記事も参照)。

彼らがとった行動(電話をかけた、調査を実施した、同僚と協力したなど)に関する彼らの話にしっかりと耳を傾けるだけで、非常に大きな労いとなる。

相手の話を引き出す尋ね方をいくつか具体的に紹介しよう。

◆「下さなくてはならない重要な決断はどういうものだった?」
◆「チームで乗り越えなければならない障害にはどんなものがあった?」
◆「あのアイデアはどうやって思いついたの?」
◆「このプロジェクトでいちばん大変だったことは何?」
◆「このプロジェクトを通して何が楽しかった? 何が得られた?」
◆「このプロジェクトでどんなひらめきが生まれた?」
◆「○○についてだけど……」
◆「あれはどうやって乗り越えたの?」

「何」や「どう」を使い、質問は端的に

これらの質問への回答について相手が話し始めたら、プロジェクトのターニングポイントとなった部分を探ろう。

カギとなるのは、「そのときに決めたんです」「分かれ道にやってきた」「行き詰まりました。試作品がうまく動かず、そこで……」といった言い回しだ。

そうした言葉が出てきたら、さらに深く掘り下げるための質問をする。たとえばこんな具合だ。

◆「それでどうなった?」
◆「何が不安にさせたの?」

「何」や「どう」という言葉を使って尋ね、質問は端的に行うことにしよう。また、質問したら、相手に考える時間を十分に与えて、言いたいことをすべて言わせるように心がけてほしい。

L デビッド マルケ:米海軍攻撃型原子力潜水艦「サンタフェ」元艦長

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