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東武伊勢崎線「埼玉の北端」羽生周辺に何がある? 群馬県境近い「こいのぼり」「ゆるキャラ」の町

東洋経済オンライン / 2024年4月25日 6時30分

そう、羽生はゆるキャラの聖地だ。コロナ禍の一時期を除いて2010年から毎年開催されており、2023年秋の第12回世界キャラクターさみっとでは、国内外から155体のゆるキャラが集まったとか。なかなかのビッグイベントといっていい。

羽生市のターミナルである羽生駅でも、橋上駅舎の自由通路にはそうした旨の一角があって、ゆるキャラの聖地であることを教えてくれる。毎年秋のキャラクターさみっとは、羽生の町にとっての一大イベントなのだろう。

車両の輸送の拠点

そんな羽生の町も、普段の姿はごく普通の住宅地。藍染めが名産品で、自由通路ではゆるキャラと並んでこちらのアピールにも余念がない。また、羽生駅には秩父鉄道も乗り入れている。車両の検査などで東武東上線の車両が輸送されてくるときには、この駅で秩父鉄道から伊勢崎線に引き渡されるのだとか。

「加須駅と羽生駅は、朝夕には特急『りょうもう』も停まるんです。特急に乗れば、北千住まで1時間もかかりません。それに、高速道路のインターチェンジもありますし、イオンもある。だから、最近も結構新しい住宅ができたりして、新たに住みだした人も少なくないんですよ」(相良駅長)

そして、自由通路の一角には、「りくはしメモリアルボード」なるものが。りくはしとは陸橋、つまり駅を跨ぐ跨線橋のことだ。いまの自由通路や橋上駅舎ができるよりもはるか前、駅の東西を線路の上を跨いで移動する人もいて、事故もたびたびあったという。

駅に眠る小さなドラマ

当地の実業家・金子専一さんが、事故の悲劇を見て「りくはしがあったなら」と涙した妻の思いに応え、私財を投じて跨線橋を設けたのだという。1963年のことだ。

いまの羽生駅は、駅舎改装によって自由通路が設けられており、その当時の“りくはし”は消えている。しかし、当時の金子夫妻の思いはいまも受け継がれているといったところだろうか。東武伊勢崎線で埼玉県最北の駅、羽生。ここにも、小さなドラマが眠っているのであった。

鼠入 昌史:ライター

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