テスラ「利益激減」よりも投資家が懸念すること 決算発表後の電話会議で注目されたポイント
東洋経済オンライン / 2024年4月25日 7時0分
イーロン・マスク氏率いるテスラは、電気自動車(EV)市場で劣勢に立たされているという投資家の懸念をさらに強めている。
同社が発表した2024年1〜3月期(第1四半期)の最終利益は、前年同期比55%減の11億ドルとなった。売上高は同9%減の213億ドルだった。
「業績不振は避けられない」と見られていた
テスラは今月、第1四半期の売上高が前年同期比8.5%減少したと発表し、また全世界の従業員の10%以上、約1万4000人をレイオフする計画を発表したため、業績不振は避けられないと見られていた。
カリフォルニア州フリーモントにある工場で2000人以上、テキサス州オースティンにある工場で2700人近くの従業員を含む人員削減は、テスラが売り上げの落ち込みに見合ったコストを圧縮するのに苦労していることの表れだと解釈された。
2023年1〜3月期、テスラは25億ドルを稼ぎ出し、業界屈指の利益率を記録したと発表した。しかし、先週新たに実施した値下げを含め、テスラは販売する車1台あたりの利益額を下げることを余儀なくされている。この戦略は、しばらくの間同社の販売を強化するのに役立っていたようだが、テスラは現在、価格を下げても買い手を引き付けるのに苦労しているようだ。
前四半期(2023年10〜12月期)のテスラの営業利益率は5.5%と、前年同期の半分であり、他の自動車メーカーの営業利益率と同水準になっている。
テスラの投資家たちは、売り上げと利益の減少がより大きな問題の兆候であることを懸念するようになっている。おそらく、既存の自動車メーカーや中国の新しい自動車メーカーとの競争激化に効果的に対応できないことを指摘しているのだろう。
マスク氏は最近、テスラは自律走行技術と「ロボタクシー」と呼ばれる車両に注力すると示唆しており、EVをより幅広い顧客層や多くの国の人々が購入できるようにする低価格の新モデルを開発するという同社の計画に疑問を投げかけている。
自動運転車はマスク氏にとって長年の夢だった。2019年に同氏は、翌年にはテスラが100万台の自律走行タクシーを走らせると言った。
既存車の部品を使って新車を作る
「テスラは、車のかっこよさ、自律走行車を発売するというアイデア、そして不可能に近いことをやってのけるマスク氏の能力に対する投資家の信頼感で生きてきた」と、ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネスのエリック・ゴードン助教授は指摘する。「そしてマスク氏への信頼は、失望と謎めいた行動によって打ちのめされている」。
この記事に関連するニュース
-
ホンダ、日本初の自動運転タクシーに漂う暗雲 米パートナーの事故処分で国内合弁設立に遅れ
東洋経済オンライン / 2024年7月5日 9時0分
-
アングル:米EV販売、第2四半期は予想超え それでも前途は多難
ロイター / 2024年7月3日 11時12分
-
「オルカン」組み入れ銘柄としても注目のテスラ イーロン・マスクのツイッター買収は影響するか
Finasee / 2024年6月21日 12時0分
-
テスラ株主、560億ドル報酬案を承認へ マスクCEOが投稿
ロイター / 2024年6月13日 13時47分
-
マスク氏をインサイダー取引で提訴、州年金基金
ロイター / 2024年6月12日 13時58分
ランキング
-
1「楽天ブラックカード」これまで招待のみだったが、申込受付を開始 特典は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月5日 13時7分
-
2知っていたらもっと早く仕事を変えたのに…65歳以上も働き続けることで減額されてしまう「年金の落とし穴」
プレジデントオンライン / 2024年7月5日 9時15分
-
3愛・地球博から約20年“夢の道路の続き”ついに動く 「名古屋瀬戸道路の“側道”」東名の南側へ
乗りものニュース / 2024年7月6日 8時12分
-
4株高なのに円安の恩恵が広がらないのはなぜか 岸田政権の大きな政策ミスを教訓にできるか
東洋経済オンライン / 2024年7月6日 9時0分
-
5ソニーが録画用ブルーレイディスク生産終了へ、光ディスクの記録メディアから完全撤退「市場が縮小」
読売新聞 / 2024年7月5日 18時12分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)